イスラエル軍がガザ地区南部の安全地帯を絨毯爆撃、死傷者多数
イスラエル軍は6月29日にも、ガザ地区全域で空爆や砲撃を繰り返し、数多くのパレスチナ人が殺害された。
5000人が避難を余儀なくされる
イスラエル軍は28日から29日にかけて、ラファ北西部の「安全地帯」とされたアル・マワシ地区を夜通し攻撃し、絨毯爆撃を行ったという。
これにより多数の死傷者が出ており、約5000人がその地区から避難を余儀なくされたそうだ。具体的な死者数、負傷者数は明らかになっていない。
この攻撃を受け、パレスチナ赤新月社は、アル・マワシ地区にある臨時管理本部から避難したと発表。「建物に破片が落ち、直接砲撃を受けたため、内部で働く職員が危険にさらされたためだ」と説明している。
国連人権高等弁務官事務所によると、昨年の10月7日以降、ガザ地区では500人の医療従事者が殺害され、そのうち少なくとも33人は赤新月社の職員だったという。
南部のラファへもイスラエル軍が攻撃
イスラエル軍は南部のラファへも攻撃を行い、多数の死傷者が出ている。
ラファ北西部の Shakoush地区では、イスラエル軍の偵察ドローンからミサイルが発射され、少なくとも3人が死亡。ラファ東部のal-Jeneina地区にあるモスク付近でも、イスラエル軍が爆撃し、少なくとも2人が死亡したという。
ラファ西部のアル・アラムにある環状交差点付近でもイスラエル軍が発砲し、数人が負傷したと伝えられている。
ラファ北西部郊外のShakush地区からイスラエル軍が撤退した後、5人の遺体が回収されたそうだ。
ガザ地区中部や北部でも多数の犠牲者
またイスラエル軍は、ガザ地区中部にあるブレイジ難民キャンプへも空爆。キャンプ内の住宅を攻撃し、少なくとも4人の民間人が死亡した。
ガザ地区北部のガザ市でも29日の朝には、13人の遺体が回収されたという。
ガザ市にある給水所もイスラエル軍に攻撃され、子供1人を含む一家4人が殺害されたそうだ。
ガザ市にあるSabra地区の住宅と車も標的にされ、4人が死亡、8人が負傷。市営公園を狙ったイスラエル軍の爆撃で、さらに5人のパレスチナ人が死亡したという。
ガザ地区の保健当局は29日、過去24時間に40人のパレスチナ人が死亡、224人が負傷したと発表。昨年の10月以来、少なくとも3万7834人が死亡、8万6858人が負傷したそうだ。
EUが入植地の合法化を非難
イスラエル政府は6月28日、ヨルダン川西岸地区にある5つの違法な入植地を、合法化すると発表したが、EU(ヨーロッパ連合)は、この措置を非難。
EUの報道官は「和平努力を損なおうとする、もう一つの意図的な試み」と批判し、合法化の撤回を求めたという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel war on Gaza live: Israeli forces intensify attacks, kill at least 40(6/29)