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イスラエルの報復攻撃は限定的か?イランの核関連施設などに被害はなし

イスラエルの報復攻撃は限定的か?イランの核関連施設などに被害はなし
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10月26日、イスラエルは初めて公式に、イランへ報復攻撃を行ったと明らかにしたが、イラン側の被害は限定的だったのと見方が出ている。

 

ミサイル生産施設に被害か?

 

イスラエル軍は26日の午前2時過ぎ(現地時間)、イランの軍事施設に対して攻撃を開始した。その3時間後、攻撃の第2波が、イランの首都・テヘランとIlam州、Khuzestan州を襲ったという。

 

そして6時間後、イスラエル側は攻撃を「完了」し、「目的を達成した」と発表した。

 

イスラエル側はこの攻撃で、イランのミサイル生産施設や防空設備などに損害を与えたと主張。イラン側は被害の状況を明らかにしていないが、衛星画像などから、長距離弾道ミサイル用の固体燃料を生産する施設が攻撃されたとの見方が出ている。

 

またイランの国営IRNA通信は、イスラエルの攻撃により、防空軍に所属していた4人の兵士が死亡したと報じた。

 

ただイランにある核関連施設や、石油施設に被害はなかったと見られ、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長も、「イランの核施設は、イスラエルの攻撃による打撃を受けなかった」と述べている。

 

10月初旬、イランによるミサイル攻撃を受けた後、イスラエルが、イランの核関連施設や石油施設を攻撃するとの見方が出ていたが、今回の報復ではアメリカ政府が、イスラエル側に抑制するよう働きかけたとの見方が出ている。

 

ガザ地区北部で35人が死亡

 

一方、イスラエル軍は26日にもガザ地区へ激しい攻撃を加えており、北部の町、ベイト・ラヒヤではイスラエル軍による空爆で、住宅の建物が破壊され、少なくとも35人のパレスチナ人が殺害された。

 

またイスラエル軍はこの町で、地上攻撃も続けており、ガザ地区の民間防衛隊は、イスラエル軍の砲撃が続いているため、空爆があった場所へ到達することができず、まだ瓦礫の下に多くの人が埋っていることから、犠牲者がさらに増えるとの見方を示している。

 

ガザ地区北部のベイト・ラヒヤやベイト・ハヌーン、ジャバリアは、3週間にわたってイスラエル軍の激しい攻撃にさらされており、数万人の住民が強制退去させられ、数百人が殺害されてきた。

 

またベイト・ラヒヤにあるカマル・アドワン病院も、イスラエル軍により包囲され、先日からイスラエル軍の戦車が建物に砲撃を加え、兵士が病院内に侵入し、発砲し続けてきたという。

 

そして病院側は10月26日、イスラエル兵が再び院内を襲撃し、少なくとも30人の医療関係者を拘束したと明らかにした。

 

病院には現在も負傷したパレスチナ人が次々と運ばれてきているが、医療従事者が拘束され、治療にあたるスタッフが不足しているそうだ。

 

ノルウェーのEspen Barth Eide外務大臣は、「ガザ北部で激化する暴力は容認できない」とし、SNSに次のように投稿した。

 

「ガザ地区北部では、飢餓が蔓延しており、大規模な死者が出ることが予想されている。民間人は保護されなければならず、イスラエルは国際法を厳守して人道的アクセスを許可し、確保しなければならない。世界は絶望の中で見守っている」(了)

 

 

出典元:Aljazeera:Live: Gaza hammered by Israeli strikes; dozens killed in northern assault(10/26)

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