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トルコ大統領が閣僚の入国を拒否したオランダを非難、両国の対立が激しさを増す

トルコ大統領が閣僚の入国を拒否したオランダを非難、両国の対立が激しさを増す
Facebook/Recep Tayyip Erdoğan

オランダで開かれる集会に参加しようとしたトルコの閣僚が、入国を拒否された問題で両国の対立が激しさを増している。

着陸拒否され、外相が集会に参加できず

 

ロイターによれば、トルコでは来月、大統領権限を強化する憲法改正案の是非を問う国民投票が実施される予定で、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は特にドイツやオランダなど、欧州に住む多数のトルコ人に賛成を呼び掛けていたという。

 

そのためトルコの閣僚らは、欧州の主要都市で大規模な集会を計画。メブリュト・チャブシオール外相も11日、ロッテルダムで開かれるトルコ系住民の集会で演説を予定していたが、オランダ政府によって秩序維持などを理由に、搭乗していた航空機の着陸が拒否された。

 

またファトマ・ベテュル・サヤン・カヤ家族・社会政策相も入国を拒否され、ドイツ国境に送り返されたそうだ。

 

オランダ政府はチャブシオール外相らの入国が望ましいものではなく、トルコの政治活動に協力するつもりはないと述べている。

トルコ大統領「報いを受けることになる」

 

AFPによればこのオランダの処置に対し、トルコのエルドアン大統領は12日、イスタンブールでの式典で、「おいオランダ! 水曜日(15日)の選挙のためにトルコ・オランダ関係を犠牲にするなら、報いを受けることになるぞ」と怒りをあらわにしたという。

 

さらに大統領は、第2次世界大戦中にナチス・ドイツに占領されたオランダに対し、今回の措置はファシストのようだと非難も繰り返したそうだ。

「謝罪などありえない」とオランダ首相

 

一方、オランダのマルク・ルッテ首相は12日、「謝罪など絶対にあり得ない」と述べ、エルドアン大統領がオランダ側をナチスやファシスト呼ばわりしたことを「わびるべきだ」と反論。

 

さらにSputniknewsによれば、ルッテ首相は「わが国は第2次大戦でナチスに爆撃された。(エルドアン氏の)発言は全く受け入れられない」と訴え、「扇動的発言を続けるなら、われわれは次の措置を考えねばならない」と語ったという。

 

flickr_Minister-president Rutte

 

このようなオランダの強気な発言の背景には、15日に控えた下院選への懸念があるそうだ。

 

オランダでは中道右派の与党、自由民主党(VVD)が、トルコ移民らの排斥を主張する極右、自由党(PVV)と競っており、ルッテ首相は極右などから弱腰との批判を避けるため、トルコに強い態度に出る必要があったとみられている。

中道右派の与党が巻き返す

 

その選挙だが、時事通信によれば15日に投票される下院選(定数150)を前に、第1党に躍進する勢いだった極右・自由党(PVV)の人気に陰りが出ているという。

 

ルッテ首相率いる中道右派の与党・自由民主党(VVD)がPVV批判を前面に出して巻き返し、両党がトップを争う接戦となっているそうだ。

 

最近の複数の世論調査では、PVVの獲得議席予想は20~24議席程度と、VVDの23~27議席を下回るケースが多い。ただ、投票直前まで態度を決めかねている有権者も少なくなく、まだ情勢は流動的とみられている。(了)

 

 

出展元:AFP:トルコ大統領、閣僚入国拒否のオランダに「報いを受ける」 と警告(3/13)

出展元:ロイター:トルコ大統領、外相入国拒否のオランダ非難 関係が悪化(3/13)

出展元:時事:極右人気に陰りも=与党巻き返し接戦-オランダ下院選(3/11)

出展元:Sputnik日本:オランダ首相、トルコは「わびるべきだ」(3/13)

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