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イスラエルの財務大臣、ヨルダン川西岸の併合を準備するよう命令

イスラエルの財務大臣、ヨルダン川西岸の併合を準備するよう命令
X_Mauricio Lapchik

イスラエルの極右政治家、ベザレル・スモトリッチ財務相は国内の会合で、ヨルダン川西岸地区の併合準備を命じたと明らかにした。

 

次期米政権にイスラエルの主権を認めるよう期待

 

スモトリッチ財務相は11月11日、極右派の会議に出席。まずはアメリカの大統領選でトランプ氏が、カマラ・ハリス副大統領に勝利したことを歓迎した。

 

またイスラエル国防省の入植地総局と民生局に対し、2025年1月にトランプ氏が大統領に就任する前に、ヨルダン川西岸地区を併合するよう、準備を命じたという。

 

さらに次期トランプ政権が、ヨルダン川西岸地区に対するイスラエルの主権を認めるよう期待を表明したそうだ。

 

スモトリッチ財務相は、国防省内でヨルダン川西岸地区と、その入植地の管理を監督する役職にも就いている。

 

パレスチナ自治政府は発言を非難

 

この発言を受け、パレスチナ自治政府のアッバス議長の報道官は、「国際法に反して占領下のヨルダン川西岸を併合するという、イスラエル政府の意図を裏付けるものだ」と非難した。

 

また報道官は、イスラエルの継続的な「侵略」を支援し続けているアメリカにも責任がある、と付け加えたという。

 

ヨルダン川西岸地区は、国際社会においてパレスチナの一部と認識されているが、1967年の第3次中東戦争以来、イスラエル軍が占領し、以来ユダヤ人が入植を始めるようになった。

 

1993年のオスロ合意によって、ヨルダン川西岸地区はパレスチナ自治政府が統治することになったが、現在もユダヤ人は入植地から去らず、イスラエル軍による占領が続いている。

 

ガザ地区やレバノンでも犠牲者

 

一方、ガザ地区では11月11日も各地でイスラエル軍の攻撃が続けられ、中部のヌセイラト難民キャンプでは、20人のパレスチナ人が死亡、多数が負傷したという。また負傷者が搬送されたアル・アウダ病院まで、爆撃されたそうだ。

 

ガザ地区北部のガザ市でも、イスラエルのドローン攻撃で1人のパレスチナ人が死亡。同じくガザ市のアル・シファ病院近くで、イスラエル軍の襲撃により1人が死亡した。

 

またイスラエル軍は、自ら「安全地帯」と指定した、ガザ地区南部のアル・マワシ地区も空爆。これにより5人のパレスチナ人が死亡、多数が負傷したという。

 

 

イスラエル軍はレバノンへも攻撃を続けており、レバノンの保健省は11日、10日に行われたイスラエル軍の空爆により、54名が死亡、56名が負傷したと発表した。

 

サウジ皇太子が「大量虐殺」と非難

 

このような攻撃に対し、サウジアラビアのムハンマド皇太子は、11日に開かれたアラブ・イスラム臨時首脳会議の席で、ガザ地区での戦闘について「ジェノサイド(大量虐殺)」だとし非難し、次のように述べた。

 

「サウジアラビア(王国)は、兄弟であるパレスチナ人民に対して、イスラエルが犯した大量虐殺を改めて非難し、断固として拒否する」

 

 

またイスラエルによるレバノンへの攻撃も非難し、国際社会に対し、イスラエルによるイランへの攻撃を阻止し、主権を侵害しないよう訴えた。

 

ムハンマド皇太子は今年の9月にも、「パレスチナ国家が樹立されない限り、サウジアラビアはイスラエルを(国家として)承認しない」とも述べていたという。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Death toll mounts in Gaza, Lebanon as Israel ramps up strikes(11/11)

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