アフリカの国立公園内で約50頭のカバが死亡、その原因とは?

アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国内で、数多くのカバが死んでいるのが見つかった。
川にカバの死骸が漂流
そのカバの死骸が多数発見されたのは、コンゴ民主共和国の東部に位置するヴィルンガ国立公園内だ。
国立公園の責任者であるエマニュエル・デ・メロード氏によれば、コンゴ民主共和国と隣国のウガンダを隔てる、エドワード湖南側の川で、カバの死骸が漂流しているのが発見されたという。
現在、約50頭のカバが死んだとみられ、その原因は「炭疽菌中毒」と考えられている。
Anthrax kills 50 hippos in Congo’s Virunga National Park https://t.co/HcEtkPvVqf pic.twitter.com/UreMyXvg1K
— Reuters Africa (@ReutersAfrica) April 8, 2025
生物兵器にも使われている「炭疽菌」
「炭疽菌」とは芽胞から形成される菌で、感染すると「炭疽症」を引き起こす。この感染症は致死率が高く、「炭疽菌」は、生物化学兵器にも応用されている。
また「炭疽菌」は、感染して死亡した動物や。菌を保有していた動物が埋葬された後も、土壌の中で数十年にわたり生存するという。
「炭疽症」は基本的には家畜などの野生動物の感染症だが、「炭疽菌」は人にも感染し、吸入すると致命的となる可能性があるそうだ。
このため今回、カバの死骸が発見された北キブ州にある「コンゴ自然保護研究所(ICCN)」の現地事務所は、人々に対し、野生動物の肉を食べないなどの予防措置を推奨している。
ヴィルンガ国立公園は1925年に設立され、マウンテンゴリラをはじめとする野生動物が生息しており、過去にもカバなどの哺乳類が「炭疽菌」の被害に遭った例が、複数回確認されているという。(了)
出典元:CBS:Dozens of hippos die of anthrax poisoning in Virunga National Park in the Democratic Republic of Congo(4/8)