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ウクライナでは米が支援した軍事物資が枯渇しつつある、専門家が指摘

ウクライナでは米が支援した軍事物資が枯渇しつつある、専門家が指摘
X_Defense of Ukraine

アメリカからウクライナへ支給されてきた軍事物資が、尽きつつあると、アメリカ人の専門家が指摘している。

 

バイデン政権による支援がまもなく枯渇

 

2021年から2025年までホワイトハウスの国家安全保障会議に所属していたDavid Shimer氏によれば、バイデン前大統領は退任の数カ月前、ウクライナ支援への決定を下し、国防総省はウクライナに数十万発の砲弾、数千発のロケット弾、数百台の装甲車両を送ったという。

 

また2024年12月には、ウクライナへの12億5000万ドルの追加支援パッケージを承認。それ以来、アメリカによる武器の継続的な供給が可能になっているそうだ。

 

これらの決定により、ウクライナは時間を稼ぐことができたが、その時間は失われつつあり、ウクライナではアメリカからの武器が枯渇し、12億5000万ドルの支援策もまもなく尽きるという。

 

そして、トランプ政権が方針を転換しない限り、アメリカによるウクライナへの軍事支援は停止されることになるそうだ。

 

トランプ大統領は軍事支援を承認せず

 

アメリカ政府は、依然として数十億ドルの資金を引き出せる権限を有しており、ウクライナに追加の軍事支援を送るために使用できるという。

 

しかし、トランプ大統領は就任以来、ウクライナへの軍事支援を一度も承認していない。

 

たとえトランプ大統領が方針を転換し、この残りの資金を引き出しても、その額はウクライナ支援を長期にわたって維持するには不十分だという。

 

さらに支援するためには、アメリカ議会がウクライナへの追加資金を承認する必要があるが、共和党が上下両院を支配している限り、それが実現する可能性は低い。

 

結果として、アメリカのウクライナ軍事支援の時代は終わりに近づいている、とShimer氏は述べている。

 

「プーチン大統領は、時を待っている」

 

一方、ロシアについて、Shimer氏は「プーチン大統領は、アメリカの軍事支援がない中で、ウクライナ軍が屈するかどうかを見極めようと、時を待っている」と指摘。

 

また「プーチン大統領は、この戦争の終結について真剣な決断をする前に、ウクライナの状況がさらに切迫するまで待つだろう。(略)プーチン大統領は、この戦争を少なくともあと数カ月は継続させるつもりだ」との見方を示した。

 

アメリカ主導の停戦交渉についても、「ロシア代表のグリゴリー・カラシン氏は、停戦交渉が年内を通じてゆっくりと進展すると公に示唆している」と指摘。

 

これに対してアメリカ政府は、ウクライナへの軍事支援を増強し、ロシア制裁の強化によって、プーチン大統領の思惑を揺さぶり、意味のある交渉に臨むよう促すべきだが、残念なことに、トランプ政権はこれらのいずれにも着手していないという。

 

その上でShimer氏は、ヨーロッパがウクライナにさらに軍事支援をすべきと提言。またウクライナの防衛産業基盤に、ヨーロッパがより多くの資源を投入すべきだと主張している。

 

さらにイギリスとフランス政府が、トランプ政権と合意し、ウクライナ向けの防空ミサイルを追加確保するよう努めるべきだという。(了)

 

出典元:The Guardian:US military aid for Ukraine is about to cease. Is Europe ready?(4/14)

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