トランプ氏、ウクライナ和平交渉から手を引く可能性があると発言

アメリカのトランプ大統領は、ロシアとウクライナとの和平交渉に進展がなければ、仲介役を降りる可能性を示唆した。
短期間で合意に至らない場合
トランプ大統領は4月18日、ワシントンD.C.で記者団に対し、ロシアとウクライナとの和平交渉が「ごく短期間で」合意に至らない限り、アメリカは仲介役を「見送る」用意があると表明したという。
またトランプ氏は「もし何らかの理由で、どちらか一方が交渉を困難にした場合、『あなた方は愚かだ。愚か者だ。ひどい人々だ』と言い、交渉を見送るだけだ。願わくば、そうする必要がなければいいのだが」とも発言した。
もっともトランプ氏は、アメリカが停戦交渉から、いつ手を引くのかについて、「具体的な日時」は明言していない。同時に「迅速に、我々は合意に至らせたい」とも述べたそうだ。
米国務長官も同様の発言
アメリカのマルコ・ルビオ国務長官も18日、アメリカは「数日以内に」、停戦交渉の努力を放棄する用意があると発言していた。
ルビオ国務長官は、ヨーロッパ及びウクライナの首脳と会談後、パリで演説し、トランプ氏は依然として合意に関心を示していると主張。
しかし同時に、アメリカの大統領には世界中で他に多くの優先事項があり、和平交渉の進展の兆候がない限り「先へ進む」用意があると発言したという。
またルビオ氏は、「これは我々の戦争ではない」「我々が始めたのではない」とも述べ、もし合意が成立しない場合、双方の隔たりが依然として大きい状況下では、アメリカの大統領は「恐らく『もう終わりだ』と言うだろう」と述べたそうだ。
軍事支援は事実上停止している
もっとも和平交渉からアメリカが手を引いた後、ウクライナへの軍事支援が停止されるかどうかは、明らかになっていない。
ただ、ウクライナのゼレンスキー大統領は今週、アメリカからの軍事物資の供給が既に、「事実上停止」していると述べた。
ウクライナは3月、30日間の停戦案に合意していたが、ロシア側が拒否。その後、ロシア軍はウクライナの民間人とインフラへの空爆を強化し、4月13日にはウクライナ北東部のスムイ市を空爆、35人が死亡、117人が負傷した。(了)
出典元:The Guardian:Trump threatens to abandon Ukraine peace efforts unless deal reached ‘very shortly’(4/18)