ロシア政府、5月に3日間の完全停戦を宣言、ウクライナにも呼びかけ

ロシア政府は、5月のソ連戦勝記念日に合わせ3日間、ウクライナとの戦闘を完全に停止すると宣言した。
5月8日から10日まで完全停戦
ロシアのプーチン大統領は4月28日、第2次世界大戦でのソ連の戦勝記念日に合わせ、5
月8日から10日までの間、完全停戦すると発表した。
ロシア政府は、この停戦にウクライナ側も参加するよう呼びかけ、「この期間中、すべての敵対行為は停止される。ロシアはウクライナ側もこの例に倣うべきだと信じている」と述べた。
その一方、ウクライナ側が停戦に違反した場合、ロシア軍は「適切かつ効果的な」対応を行うとも述べたという。
ウクライナ側は30日間の停戦を提案
ウクライナ側はすでに3月、アメリカによる30日間の停戦案に同意しており、今回の完全停戦の呼びかけに対し、アンドリー・シビハ外務大臣はSNSに次のように投稿した。
「ロシアが本当に平和を望むなら、直ちに停戦しなければならない。なぜ5月8日まで待つ必要があるのか?今すぐ、そしてそれ以降30日間いつでも停戦できるのであれば、これは単なる誇示ではなく、現実のものとなる」
ロシア側は、アメリカが提案した「即時30日間の停戦」を拒否している。また4月20日の復活祭では、ウクライナとロシアは部分的な停戦に合意していたが、その後、双方が停戦違反を非難し合う結果となった。
戦勝記念パレードを攻撃されたくない?
今回の3日間の停戦について、ウクライナ人ジャーナリスト、Svitlana Morenets氏はSNSに次のように投稿し、見方を示した。
「プーチン大統領が再び短期停戦を発表したことは、ただ1つのことを意味する。今後数週間で和平合意は成立しないということだ。そして、前線での停戦も実現しない。プーチン大統領はトランプ大統領を落ち着かせるために、見せかけの行動に出ているだけだ。さらに、ウクライナのドローンが戦勝記念パレードを、台無しにするのを阻止する必要もあるからだ」
復活祭の停戦期間中、ロシア軍の工兵部隊は、破壊された道路などの横断箇所の修復や地雷除去を行い、さらなる攻撃に備えたと言われている。
そのため今回の3日間の停戦が実現した後、ロシア軍が再び、大規模な攻勢を開始するだろうとの憶測も流れているという。(了)
出典元:The Guardian:Putin announces 72-hour May ceasefire in Ukraine war(4/28)