英国館のアフタヌーンティーが炎上&万博オタクも酷評:大阪・関西万博の課題露呈

4月13日に開幕した2025年大阪・関西万博。心配の声も多かった万博だが、SNSを見ると、各パビリオンの努力により好意的な反応も多い。
そんな中、厳しい声が上がっていたのが、英国パビリオンのアフタヌーンティーだ。その食事について、責任者が声明を発表したのだが、それがさらなる波紋を呼ぶ結果となっている。
残念なアフタヌーンティーとは
4月後半、英国パビリオンでのアフタヌーンティーを巡り、X(旧Twitter)上で次のような内容が話題になった。
・メディアに公開されたものと異なり、紅茶が紙コップにティーバッグで提供された。
・メニューと異なり、スコーンが2個ではなく1個で提供された
(大きいスコーンになったためだが、メニューは2個のままだった)。
・アフタヌーンティースタンドがIKEA製だった。
・ケーキの一つがスジャータの製品だった。
・クロテッドクリームとジャムも紙コップで提供された。
これらの内容について、「イギリスらしさがないのではないか」「これで5000円は高すぎるのではないか」との声が上がった。
また、紅茶がポットで提供されない場合、イギリスではお湯のお代わりをもらえるのが一般的だ。しかし、店員がそのことを把握しておらず、お湯のお代わりが伝わりにくかったという声もあった。
これらの投稿はネガティブな内容に見えるが、むしろ日本国内のアフタヌーンティーの質の高さが注目される結果となった。
大阪・関西万博英国政府代表が声明
こうした声が大きくなる中で4月29日、大阪関西万博英国政府代表のキャロリン・デービッドソン氏は、次のような投稿をした。
英国のパビリオンの食事について…. pic.twitter.com/eziZNF8KLD
— Carolyn Davidson🇬🇧 (@CJDavidsonFCDO) April 29, 2025
「英国パビリオンでは、皆様から寄せられる声を大切にし、そして、皆さんがより快適な時間を過ごせることを願っています。一緒に未来を創りましょう!」という内容だが、食事の改善や混乱に対する謝罪はなかった。
その上で、来場者とは異なり、自身がティーカップで紅茶を飲む姿を投稿したため、「煽っているようにしか見えないのですが、これが英国流なのですか?」「イギリス文化の2つの側面をよく表している。一つはぼったくり、一つは階級制度。上流階級には陶器でお茶を出すよ」などの批判が寄せられた。
これらの声を受け、再びXに投稿がされた。
#Expo2025 #英国パビリオン のアフタヌーンティーについて、多くのご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございます。皆様からのご指摘を受け、すでに一部のサービスに関して改善しております。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。引き続き、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。 pic.twitter.com/Zq6ccBQlWQ
— Carolyn Davidson🇬🇧 (@CJDavidsonFCDO) May 1, 2025
「皆様からのご指摘を受け、すでに一部のサービスに関して改善しております」と説明されている。現在では、メディアに公開された当初よりもグレードアップしたものが提供されているという声もある。
この投稿には、謝罪がないという厳しい声もあるが、早急な対応や公式からの声明を評価する声も多い。
万博オタクからもダメ出し
ニュージーランド出身で、東京都在住のコール・キャメロン氏は、2010年上海万博(中国)、2012年麗水万博(韓国)、2015年ミラノ万博(イタリア)を楽しんだ万博オタクだ。
そんな彼は、もちろん大阪・関西万博にも足を運んでおり、次の投稿をしている。
★★☆☆☆ #EXPO2025 Osaka: A Soul-Crushing Flop That Shattered My Expo Dreams 🇯🇵 🔴 🔵
As a die-hard World Expo geek, I’ve crisscrossed the globe for these dazzling showcases of human ingenuity and culture—🇨🇳 Shanghai 2010’s urban spectacle, 🇰🇷 Yeosu 2012’s coastal charm, 🇮🇹… pic.twitter.com/ZogHPont2N
— Cole Cameron (@colecameron) April 25, 2025
写真からもわかるように、残念ながら満足いく万博体験ではなかったようだ。
その理由は主に4つある。
その1:デジタル大失敗
・4つもの別々のアプリを使うことになり、どれも不具合だらけだった
・メインアプリが基本的な「戻る」ボタンすらないなど、UXが劣悪だった
その2:計画地獄
・ウェブサイトの情報が整理されておらず、迷路のようだった。
・多くのパビリオンやイベント、食事に抽選予約が必要だった
・「空き」表示が出てもすぐに予約が埋まってしまい、なかなか予約が取れなかった
その3:殺風景な退屈の極み
・「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマにもかかわらず、過密状態が最大の魅力である、魂のない企業の展示会だった
・パビリオンの配置が悪く、案内表示も不十分だった
・コモンズホールのブースの多くは、バズワードとパワーポイントのスライドで手抜き
・文化的な深みが行方不明だった
・道頓堀なら800円で済むような小さなピザセットを、予約なしのフードホールで2,000円も払った
その4:日本の魔法の裏切り
・新幹線、スタジオジブリ、寿司を提供するロボットの国の魅力が、官僚主義と中途半端な実行によって停滞していた
・過去の万博のような魅力や感動がなく、魔法を忘れてしまった
特に日本の魔法が感じられなかったことに、がっかりしたそうだ。「そんなものより、大阪の真のスターであるユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行きましょう」「もっと良いのは、東京に来ることです。東京は、毎日が巨大な万博のようなものです」と締めくくっている。
好意的な反応もあれば、そうではない反応もある大阪・関西万博。英国パビリオンのように、マイナス面は早急に改善されることを期待するばかりだ。(了)