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ネタニヤフ首相の「大イスラエル」構想発言、周辺国が一斉に反発

ネタニヤフ首相の「大イスラエル」構想発言、周辺国が一斉に反発
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イスラエルのネタニヤフ首相は8月13日、テレビ番組で「大イスラエル」構想について語り、その後、周辺国から非難の声が寄せられた。

 

周辺の中東諸国が批判

 

イスラエルの番組「i24ニュース」のインタビューを受けたネタニヤフ首相は、司会者から「大イスラエル」構想に共感しているか尋ねられ、「非常に」と答えたという。

 

また「大イスラエル」構想について、「強い愛着」を感じているとも述べた。

 

「大イスラエル」とは、ヨルダンやエジプト、シリア、サウジアラビア、イラクの一部、そして占領下のヨルダン川西岸地区とガザ地区を、本来のイスラエル国家の一部であると主張するものだ。

 

 

しかしこの発言を受け、サウジアラビアやカタール、ヨルダン、イエメンなど各国から非難の声が上がったという。

 

サウジアラビア外務省は、ネタニヤフ首相の構想が、イスラエル政府による入植と拡張主義的な計画だと非難した。

 

またサウジアラビア外務省は、パレスチナ人民が国際法に基づき、自らの土地に独立した主権国家を樹立する歴史的かつ法的権利を有することを再確認した。

 

その上で、ガザ地区やヨルダン川西岸地区などにおける、イスラエルの「甚だしい違反行為」は国際的な正当性を損ない、国家主権を侵害し、地域および世界の平和と安全を脅かすものだと警告した。

 

4万人の子供が栄養失調

 

一方、ガザ地区の保健当局によれば、8月14日には過去24時間で、新たに4人が飢餓や栄養失調で死亡したという。

 

これにより、飢餓関連死は合計239人となり、そのうち106人が子供になるそうだ。

 

国連世界食糧計画(WFP)は、ガザ地区の食料不安は「壊滅的」であり、少なくとも4万人の1歳未満の子どもが栄養失調に苦しんでいると明らかにした。

 

54人のパレスチナ人が死亡

 

またイスラエル軍はガザ地区全域に激しい攻撃を加え、8月14日には24時間で少なくとも54人のパレスチナ人が殺害され、831人が負傷したという。

 

殺害された人のうち22人が支援物資を求めて、配給所付近で殺されたと言われている。

 

またガザ地区の保健当局は、以前の攻撃により、埋まった瓦礫の下から4人の遺体が回収されたと明らかにした。

 

SNSには、場所と時間は明らかではないが、負傷者(もしくは死者)を運ぼうとしている3人のパレスチナ人が、イスラエル軍の攻撃を受ける様子が投稿されている。

 

パレスチナの国家承認は象徴的?

 

先日、フランスやイギリス、カナダ、オーストラリア政府もパレスチナの国家承認を行う予定だと明らかにしたが、これらの国々が、尚もイスラエルに武器を売却しているとの意見も出ている。

 

『パレスチナ実験場(The Palestine Laboratory)』の著者であるAntony Loewenstein氏は、次のように主張している。

 

「これらの国々は、『私たちはパレスチナ人のために何かをしています。皆さんの声は聞いています…しかし、そもそも問題を引き起こした(ハマスの)暴力に対処するために、武器の部品や武器をイスラエルに送り続けるつもりです』と言って、国民を騙そうとしているのです」

 

そもそも「ハマス」がイスラエル南部を攻撃したのも、長年の間、イスラエル軍が違法にヨルダン川西岸地区などで入植活動を続け、パレスチナ人を迫害し続けていることが原因とされている。

 

またアイルランドの元大統領で、元国連人権高等弁務官のメアリー・ロビンソン氏は8月11日、世界の指導者たちの代表団の一員として、ガザ地区南部のラファ国境検問所のエジプト側を訪問。

 

その際、「アメリカのドナルド・トランプ大統領は、自国がガザの飢饉に最も加担していることを認識すべきだ」と痛烈に批判した。(了)

 

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Gaza hunger ‘catastrophic’, says UN, as four die from Israel’s famine(8/14)

出典元:Middle East Eye:Netanyahu says he backs ‘Greater Israel’, which includes parts of Jordan and Egypt(8/13)

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