イタリアにあるエトナ山、科学者が噴火を予測する新たな方法を発見

イタリアのシチリア島にある活火山、エトナ山。この噴火の時期を特定する新たな方法が、発見されたという。
地殻内のb値を研究
この研究に携わったのは、イタリア国立地球物理火山研究所の科学者たちだ。
彼らは現在、エトナ山の次回の噴火が起きる時期を検知するため、地殻内のマグマの動きから来る信号を監視しているという。
そして先日、発表された研究論文の中で、研究者たちは地殻内のb値(マグニチュードの低い地震と高い地震の比率を測る指標)を研究することで、地殻の応力変化を監視し、地殻深部から火山の山頂まで移動するマグマを追跡できる、と説明した。
警告を提供できる可能性
研究者らによると、2005年から2024年までのエトナ山のデータを集めた最新の統計モデルから、火山活動とb値の間に相関関係があることを発見したという。
しかもこの相関関係は非常に強く、b値の時間変化は、マグマの上昇に伴う地球化学的異常(硫黄や二酸化炭素などのガスの放出など)の数カ月前に起こり得るそうだ。
このため、近隣の地域社会に大規模噴火が発生することを、前もって警告できる可能性があるという。
研究者らは論文の中で「我々の研究結果は、b値のモニタリングによって火山危機を予測できる可能性があることを示唆している」と述べている。
約100万人がエトナ山の斜面で暮らす
ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山は、シチリア島東部のカターニア市をはじめとする、いくつかの小さな町に近いため、厳重に監視されている。
NASAによると、シチリア島の人口の3分の1にあたる、約100万人がエトナ山の斜面に居住しているという。
しかも、エトナ山はシチリア島東海岸に位置し、ほぼ継続的に噴火していると言われている。
エトナ山の噴火の歴史は50万年前に遡り、過去2700年間にわたり人類によって記録されてきた。
1669年には、エトナ山で最大規模の噴火が起き、溶岩がカターニア西部の郊外を覆い尽くしたという。(了)
出典元:ABC News:Scientists discover new way to detect volcanic eruptions at Mount Etna(10/22)

























