超加工食品を多く食べる女性は、腸内で腫瘍が発生するリスクが高い

ある研究により、超加工食品を多く食べる女性は、腸内で腫瘍が発生し、癌につながるリスクが高いことが示唆された。
一般的な腸ポリープの早期発症リスクが高い
超加工食品とは、一般的に工業的に生産され、調理済みであることが多く、自然食品や食物繊維、ビタミンがほとんど含まれず、飽和脂肪、砂糖、塩分、食品添加物が多く含まれている食品と定義されている。
具体的には、スナック菓子や清涼飲料水、カップラーメン、インスタント食品、加工ハム、ソーセージなどだ。
そして今回、アメリカ・マサチューセッツ総合病院の研究者らが調べた結果、超加工食品を多く摂取する50歳未満の女性は、一般的な腸ポリープの早期発症リスクが高いことが示唆されたという。
2万9105人の参加者のデータを解析
今回、研究者らは、1947年から1964年生まれの女性看護師を対象とした、アメリカでの看護師健康調査II(NHS II)の一環として収集されたデータを解析したそうだ。
この調査で、参加者は1991年以降、4年ごとに食品に関する質問票に回答し、過去12カ月間に様々な食品を、どのくらいの頻度で食べたかを報告したという。
研究チームは、これらの回答から、1991年以降に大腸内視鏡検査を受け、また非黒色腫皮膚癌以外の癌や炎症性腸疾患、ポリープの既往歴のない2万9105人の参加者のデータを解析した。
これらの参加者は2015年6月まで追跡調査され、その時点で全員が50歳に到達し、早期発症の通常型腺腫が1189例、鋸歯状病変(大腸癌のリスクが高い)として知られる別の種類のポリープが1598例記録されていた。
超加工食品の摂取量でグループに分けて分析
研究チームは、参加者を超加工食品摂取量に基づいて5つの均等な人数のグループに分け、BMIや喫煙、身体活動などの要因も考慮。その結果、超加工食品の摂取量が最も少ないグループ(1日平均3.3回)と比較して、最も多く摂取したグループ(1日平均9.9回)は、早期発症の通常型腺腫を発症するリスクが45%高いことを発見したという。
ただし超加工食品の摂取量と、鋸歯状病変の発症リスクは関連していなかったそうだ。
もっとも研究者らも、調査が参加者の記憶に基づいていることや、超加工食品の分類の困難さなどもあり、十分に証明されたわけではないと認めている。
ただこの研究論文の筆頭著者であるアンドリュー・チャン医師(マサチューセッツ総合病院)は、超加工食品が肥満や2型糖尿病の代謝障害と関連し、大腸癌のリスク増加や、慢性炎症状態を悪化させたり、腸内細菌や腸壁に影響を与えたりする可能性があると述べている。(了)
出典元:The Guardian:Ultra-processed foods may help explain rising bowel cancer in under-50s, study suggests(11/13)

























