「僕にそんな価値が?」銃撃犯を止めた“八百屋店主”に寄付殺到

12月14日の午後にオーストラリアのシドニーにあるビーチで起きた、ユダヤ人を狙った銃乱射事件。犯人に立ち向かい、銃を奪って被害拡大を防ぎ、負傷した英雄がいる。犯人たちはイスラム過激派の思想に影響を受けたと報じられているが、犯人に立ち向かったその英雄もまたイスラム教徒だった。
彼の元に寄せられた多額の寄付金とそれを渡された英雄のコメントに、注目が集まっている。
銃を奪ったものの自身も負傷
すでに過去の記事で報じているとおり、12月14日の午後に発生したシドニー郊外にあるボンダイ・ビーチでの銃撃事件。1人の子供を含む16人が死亡する悲劇的な結果となった。
この事件では、一人の男性がテロリストに立ち向かい、銃を奪って負傷する様子が映像に残されている。この時、別の銃撃犯から撃たれて負傷し、現在も病院で治療中だ。
Video shared with ABC News shows the moment a heroic bystander wrestled a gun away from the hands of one of the shooters at Australia’s Bondi Beach on Sunday. https://t.co/62LWWOZUQx pic.twitter.com/HEI3Kfh83Y
— ABC News (@ABC) December 14, 2025
シリア出身の二児の父
この英雄の名前は、アフメド・アル=アフメド(Ahmed Al-Ahmed)さん。シドニー郊外で八百屋を営む42歳のイスラム教徒だ。2006年にシリアからオーストラリアに移住し、現在は3歳と6歳の女の子の父親だという。
現在はオーストラリア国籍を取得して、市民として暮らしている。当日も銃声を聞くまでは、友人たちとビーチでお茶を飲むという、ごく普通の時間を過ごしていた。
多額の寄付が寄せられた
ためらうことなく犯人に立ち向かった英雄に対し、医療費の補助やリハビリ中の生活支援、トラウマのケアなどを目的として、300万豪ドル(約3億1356万円)を目標に寄付が呼びかけられている。
主催したのは、オーストラリアの自動車関連企業であるCar Hub Australia。自身も5万豪ドル(約523万円)を寄付している。米投資家ビル・アックマンさんは、最も高額となる9万9999豪ドル(約1045万円)を寄付。12月24日時点でも寄付金額は増え続けている。
「僕にそんな価値が?」
この報告は入院中のアフメドさんにも伝えられた。
この投稿をInstagramで見る
12月18日に投稿されたこの動画では、4万3000人以上が250万豪ドル(約2億6130万円)を寄付していると伝えられたアフメドさんは、「僕にそんな価値が?」と発言し、その謙虚な姿勢が、改めて人々を驚かせた。
さらに「人間同士は皆で支え合い、悪いことは過去に置いて命を助け続けましょう。私が命を助けたのは、心からそうしたかったから」と発言している。(了)
出典:Daily Mail「Bondi hero is handed $2.5million cheque in his hospital bed – then asks unbelievable question」(12/18)
出典:USA TODAY「Who is the Bondi Beach hero? What to know about Ahmed al Ahmed」(12/15)
出典:GoFundMe「Support the Hero Who Disarmed a Bondi Attacker」


























