米司法省、FRBのパウエル議長の刑事訴追を示唆、元議長らがトランプ政権を批判

アメリカの司法省は、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対し、刑事捜査を開始した。
FRBに大陪審からの召喚状を送付
司法省は1月9日、FRBに対し大陪審からの召喚状を送付し、パウエル議長に対し、刑事訴追を行う姿勢を示したという。
司法省は、「納税者のお金の不正使用」の可能性に関する捜査だと述べているが、具体的な詳細についてはほとんど語っていない。
一方、パウエル議長によれば、この召喚状は、ワシントンD.C.にあるFRB本部ビルの大規模改修計画に関する、昨年6月の上院銀行委員会での証言に関連したもので、刑事訴追の可能性も示唆されていたという。
しかしパウエル議長は、「大統領の意向ではなく、国民にとって何が有益であるかという我々の最善の評価に基づいて金利を設定していたため、刑事訴追の脅迫を受けた」と主張。今回の司法省の動きは、これまでトランプ政権が繰り返しFRBへ行ってきた、金融政策決定に対する脅しと圧力の一環であるとの見方を示した。
トランプ氏、改修費用が膨らんだと批判
トランプ大統領は昨年、ビルの大規模改修計画について、2019年に予算計上されていた19億ドルではなく、25億ドルにまで費用が膨らんだと批判。さらにVIPダイニングルームやガーデンテラスといった豪華な改修工事を、パウエル議長が監督したとして非難していた。
そして昨年6月、パウエル議長は上院銀行委員会での質疑応答の中で、FRB本部は1930年代以降大規模な改修が行われておらず、建物の安全確保のため、改修が必要だと主張。
「VIPダイニングルームはなく、新しい大理石もない。古い大理石は撤去したが、再び元に戻しました。特別なエレベーターもなく、古いエレベーターがあるだけです」と議員たちに証言していた。
元FRB議長らがトランプ政権を批判
トランプ大統領は、迅速な利下げを求める自身の要求に、パウエル議長とFRBが応じなかったとして繰り返し非難し、FRBの決定に対する統制力を強化しようと試みてきた。
そして今回の動きは、トランプ政権によるFRBの独立性に対する攻撃のエスカレーションとなる。
元FRB議長であるアラン・グリーンスパン氏やベン・バーナンキ氏、ジャネット・イエレン氏らは共同声明を発表し、パウエル議長に対する捜査が、トランプ政権によるアメリカ中央銀行の独立性を弱めようとする「前例のない」試みだと非難。
独立した中央銀行に対する同様の政治的攻撃が、経済の不安定化と生活費の上昇につながっていると警告し、「法の支配こそが最大の強みであり、それが我々の経済的成功の基盤であるアメリカに、このような攻撃は存在する余地がない」と述べたという。(了)
出典元:The Guardian:Ex-Fed chairs condemn Trump’s bid to weaken central bank’s independence(1/12)


























