「ルールに基づく世界秩序は、もはや存在しない」ドイツの首相が警告

ドイツのメルツ首相は先日、ミュンヘン安全保障会議において演説し、世界情勢が深刻な状況に追い込まれているとの認識を示した。
「我々の自由は保証されていない」
ドイツ南部で行われたミュンヘン安全保障会議には、ヨーロッパ各国の首脳に加え、アメリカの国務長官や中国、日本の外務大臣なども出席し、ヨーロッパの防衛と大西洋にまたがる関係の将来について議論されたという。
メルツ首相は2月13日、ミュンヘン安全保障会議の開会にあたり、演説を行い、「ルールに基づく世界秩序は、もはや存在しない」と警告した。
またメルツ首相は、「大国政治の時代には、我々の自由は保証されていない」と述べ、「ヨーロッパ諸国は、犠牲を払う覚悟が必要だ」と訴えたという。
さらにメルツ首相は、「ヨーロッパとアメリカの間には、深い溝が生まれている」と認めた上で、「大西洋間の信頼を修復し、復活させよう」とアメリカ側に訴えた。
アメリカへの信頼を失う
この安全保障会議では、ロシアとウクライナの戦争、西側諸国と中国の緊張、そしてイランとアメリカの核合意の可能性についても、議題に上がったという。
アメリカのトランプ大統領は現在、グリーンランド領有を望み、それに反対するヨーロッパ諸国からの輸入品に高い関税をかけている。そのため多くのヨーロッパ諸国の首脳は、アメリカへの信頼を失い、もはや最大の同盟国として見ていない。
さらにトランプ氏の強硬な姿勢により、軍事同盟であるNATOへのアメリカの関与すら疑問視されている。
1年前、同じミュンヘン安全保障会議で、アメリカのJ・D・バンス副大統領も、言論の自由と移民政策をめぐり、イギリスを含むヨーロッパを厳しく批判していた。
共同核抑止力の構築にも言及
またメルツ首相は演説で、フランスのマクロン大統領と、ヨーロッパ共同核抑止力の構築について「秘密協議」が進行中であることを明らかにした。
ただしメルツ氏は、それ以上の詳細を明らかにしていない。
フランスとイギリスはヨーロッパで唯一の核保有国だが、ドイツをはじめとする多くのヨーロッパ諸国は、伝統的にNATO同盟におけるアメリカの核の傘に依存してきた。
13日の午後、この会議で演説したマクロン大統領は、新たな世界情勢においてヨーロッパが「地政学的大国となることを学ぶ」よう改めて訴えたという。
またマクロン大統領は、2022年にロシアがウクライナに全面侵攻したことを受け、ヨーロッパは既に再軍備を進めていると述べ、「我々はこれを加速させ」、大陸全体で協力して取り組む必要があると強調したそうだ。(了)
出典元:BBC:World’s rules-based order ‘no longer exists’, Germany’s Merz warns(2/13)


























