古代のハチがハエの蛹に寄生し成長していた!化石から寄生の証拠が明らかに
古代に絶滅したハチが、他の虫に寄生して成長している珍しい事例が確認された。
1510個の蛹に55個が寄生していた
この研究を進めていたのは、ドイツにあるカールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology)のThomas van de Kamp博士が率いる研究チーム。
彼らは、以前にフランスで発見された約2300万年前から約6600万年前のハエの蛹の化石、1510点を調査したという。
そして高処理能シンクロトロン放射X線マイクロトモグラフィーを使って分析した結果、ハエの蛹を宿主としてハチが寄生し、その中で成長していたことが明らかになったそうだ。
分析では1510点の蛹のうち、合計で55点にハチが寄生しているのが判明し、それらは数百万年前に化石となってとどまっていた。
動画で古代のハチの姿を表す
これらの証拠により、研究者らは親バチがハエの蛹に1つずつ卵を注入し、卵から返ったハチはやがて蛹を栄養源として食べていたと見ている。
また研究者らは今回の分析で、4種の新種のハチを特定。そのうちの1つ「Xenomorphia resurrecta」と呼ばれる種を再構成し、画像技術を使って動画で表した。それが下になる。
この「Xenomorphia resurrecta」という名前は、同様に寄生して成長することから、エイリアンシリーズに登場する「ゼノモーフ(Xenomorph)」にちなんでつけられたという。
実は、このように化石から実際に寄生している証拠が発見されるのは珍しく、現代と同じようなハチが寄生する歴史を調べる良い機会になるとして、研究者からも歓迎されているとか。
Kamp博士も「私たちのプロジェクトは、最新技術で古い標本を新たに研究することが非常に価値のあることだと証明しました」と述べている。(了)
出典元:INDEPENDENT:Prehistoric parasitic wasps found frozen inside fossilised victims named ‘Xenomorphia’ after terrifying creature in Alien films(8/28)
出典元:EurekAlert!:Parasites discovered in fossil fly pupae(8/28)