火星のクレーターに巨大な氷、ESAがデータを処理し画像を公開
火星のクレーターに多くの氷や雪が残っている画像が撮影され、公開された。
今年4月に撮影、その後データを処理
大量の雪や水氷の姿がとらえられたのは、火星の北極付近にある「Korolevクレーター」とされている。
この画像を撮影したのは欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「マーズ・エクスプレス」。これは2003年以来、火星上空の軌道を周回しており、この画像は搭載された高解像度ステレオカメラ(HRSC)によって、今年4月に撮影されたという。
その後、実際にクレーターが人間の目にどのように映るのかを示すために、地球へ送信されたデータが処理され、今回このように公開されたそうだ。
厚さ約2km、直径82kmに渡って広がる
この氷は水が凍ったものと考えられ、厚さは約1.8km。直径82km(ESAを参照)にわたって広がっており、永久に解けない特徴を示しているという。
氷により上空の空気が冷やされ、沈殿して寒気の層を形成。それらがクレーターをとらえているため、火星の北半球での6カ月に及ぶ夏の期間でも、氷が解けることはないと見られている。
また氷には細かい塵も混じっているが、表面を変えるほどの量はないため、氷の実際の見た目は画像の通りだとか。
火星の極には二酸化炭素が混じった解けない氷も存在するそうだが、北半球が夏の間、それらの層が1mか2mの厚さになり、氷の蓋として形作られていくという。(了)
出典元:NewScientist:Ice-filled Martian crater is a permanent winter wonderland(12/20)
参考:ESA:MARS EXPRESS GETS FESTIVE : A WINTER WONDERLAND ON MARS(12/20)