豪の山林火災で焼かれた土地から、6600年前の水産養殖システムの一部を発見
オーストラリアの焼けた森の中から、古代先住民によって作られた水路などが現れた。
エジプトのピラミッドよりも古い
その水産養殖システムが現れたのは、ビクトリア南西部にあるバッジ・ビム国立公園内。ここ数週間に及ぶ森林火災で焼き払われた土地からその姿が浮かび上がったという。
この水産養殖システムは「バッジ・ビム文化的景観」と呼ばれており、以前から発見されていたもので、石で組まれた水路やウナギなどを養殖・収穫していたプールなどがあるそうだ。
これを作ったのは先住民族のグンディッジマラ族とされ、エジプトのピラミッドよりも古く、約6600年前のものと考えられている。
しかも先週、火災が制御下になったことで、土地のオーナーなどが調べたところ、さらに植物などの下に隠された新たな水産養殖システムの一部も発見されたという。
土地のオーナーも新たな発見に驚く
この遺跡の付近にはCondah湖もあり、バッジ・ビム国立公園も含んだ一帯は昨年の12月に落雷によって森林火災が広がり、その後7000ヘクタールも焼き尽くされたそうだ。
そして先週、地元の消防士たちの努力により火災がコントロール下に置かれるようになり、先住民の権利や利益を守る団体のDenis Rose氏や先祖代々の土地のオーナーらがこのエリアに戻った時、焼け跡から新たなシステムの一部も現れたという。Rose氏は次のように語っている。
「火災は実際、他の小さな水産養殖システム、今まで私たちが気づかなかった長さ25mの水路なども含むものも、浮かび上がらせたのです。それは私たちが歩いていた道から20mしか離れていませんでした。でもそれは、長い草や蕨、その他の植物などで覆われ、隠されていたのです」
この「バッジ・ビム文化的景観」は2019年6月にユネスコの世界遺産に登録されているが、今回発見された水路などは、どの記録にも残っていないものだったという。
またこれを築いたグンディッジマラ族は、遊牧生活をしていたアボリジニとは異なり、定住生活を営んでいたとも言われている。(了)
出典元:ABC Net:Budj Bim Cultural Landscape fire reveals new sections of ancient aquatic system(1/19)
出典元:INDEPENDENT:Australia wildfires reveal ancient aboriginal aquaculture system built before the Egyptian pyramids(1/19)