コロナ感染症から回復したトム・ハンクス、自分の血漿を研究所に提供
新型コロナウイルス感染症から回復した米国の俳優トム・ハンクスさんが、このウイルスに関する調査研究を助けるため、自らの血液と血漿をカリフォルニア大学に提供した。
抗体を含んだ血液と血漿
先月中旬、ハンクスさんは映画のロケで訪れていたオーストラリアで、奥さんのリタ・ウィルソンさんと共に新型コロナウイルスに感染。クイーンズランド州のGold Coast大学病院に入院していたが、無事に回復し、今は米国の自宅に戻っている。
そんな彼が、新型コロナの治療薬やワクチンの早期完成を願い、血液と血漿をカリフォルニア大学の研究センターに提供した。ツイッターの公式アカウントに、自身の血漿で一杯になったプラスチックバッグの写真が投稿されている。(血漿は血液の液体成分で、赤色でなく淡黄色をしている)
Here’s last week's bag of plasma. Such a bag! After the paperwork, it’s as easy as taking a nap. Thanks @arimoin and UCLA. Hanx pic.twitter.com/15WblGiVwe
— Tom Hanks (@tomhanks) April 29, 2020
投稿文にはこうある。
「これが先週採取した血漿。こんなバッグになった!書類上の手続きを済ませた後は、ちょっと昼寝していればいいという簡単さ。Anne Rimoin先生(感染症疫学教授)とUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)にありがとう」
感染症から回復したハンクスさんの血液と血漿には、免疫のもととなる抗体が含まれている。大学の研究者たちはそれを詳しく調べて、治療薬やワクチンの開発に繋げることができる。
自ら進んで提供
ハンクスさんは、今回の血液と血漿の提供について、最近のラジオ番組でこう話した。
「(回復後に血液や血漿を提供しないかと)持ちかけられもしましたが、こちらからも『血はいらないかい? 血漿をあげられるけど?』と言ったんですよ。ワクチンを作りたいと思っている所に、実際に提供しようと思って。ワクチン、というより、私としては『ハンクチン』と呼びたいですけどね」
ハンクスさんのハンクと、ワクチンのチンを繋げた「ハンクチン」は、もちろんジョークだ。「商標登録して儲けようなんて考えていませんから」と、彼は笑って付け加えている。(了)
出典元:Mashable:Tom Hanks shares photo of his plasma donation for coronavirus research(4/30)
出典元:Mashable:Tom Hanks and Rita Wilson test positive for coronavirus(3/12)
出典元:npr:Tom Hanks At Home