絶滅した青い蝶、再導入プログラムが成功し再び英の空に舞う
イギリスでかつて絶滅した蝶が、保護プログラムのおかげで導入され、再び活動している姿が確認された。
1979年に公式に絶滅を宣言
その蝶とは「Large Blue Butterfly(Phengaris arion:ゴウザンゴマシジミ)」だ。これはイギリスのブルーバタフライの中でも、非常に珍しい種とされている。
しかし1979年、イギリスでは「Large Blue」が絶滅したと、公式に宣言されることに。
そこで自然保護に取り組んでいる団体「Minchinhampton and Rodborough Commons」が新しい保護計画を立ち上げ、この希少な蝶が再び自然に導入される取り組みを続けてきたそうだ。
1100匹の幼生のうち750匹が成虫へ
保護団体のメンバーらは1100匹の蝶の幼生をイングランドの西部に放ったところ、すでに750匹が成虫になっているのが確認されたという。
しかも彼らは、これらの蝶の多くが野生の環境下で卵を産んでいる証拠も発見しており、今後も子孫が生き延びていく可能性が得られたそうだ。
そもそもこの蝶が成長するには、赤アリ(Myrmica sabuleti)が必要で、蝶の幼虫は蜜腺から甘い液体を分泌し、アリの巣にわざと運ばれるという。
そして巣の中で幼虫は、アリの幼虫を食べ、春を迎えて蛹となる。さらに巣の中で羽化して成虫となり、巣から這い出すそうだ。またこのアリに最適な状態を作るためにも、放牧牛が大きな役割を果たしているとか。
今回、多くの「Large Blue」が再びイギリスで確認されたのだが、これは最後に自然保護団体が記録してから150年で初めてのことになるという。(了)
出典元:BBC:Great news for previously extinct Large Blue butterflies!(8/13)