NY州で1万2000人以上を新型コロナの死者数に追加、意図的に少なくしていた疑惑を受け
新たにニューヨーク州の知事に就任したキャシー・ホーチュル氏は8月24日、州内でのこれまでの新型コロナウイルスによる死者数に、1万2000人以上を追加した。
前知事が意図的に少なく見せていた疑惑
パンデミックが始まって以来、ニューヨーク州ではこれまでに4万3000人強が新型コロナにより死亡したと記録されてきたという。
しかし前任者のアンドリュー・クオモ前知事がコロナウイルスによる死亡者数を意図的に少なくしていたとの疑惑が出ていたそうだ。
このためホーチュル知事は、コロナウイルスによる死亡者数に1万2000人以上の数字を追加。その上でMSNBCの番組「Morning Joe」において、次のように語った。
「老人ホームでの死亡数と病院での死亡数が、米疾病予防管理センター(CDC)の表示と一致していることを知ってもらうために、これまでよりも多くのデータを公表することにしました」
老人ホームでの死者数が50%少ない?
これまでクオモ氏が公表していた死者数は、「病院、老人ホーム、成人介護施設から報告された毎日の死亡データ」を集めたもので、知事のウェブサイトに掲載されてきたという。
そして7月にAP通信が、死者数の疑惑について報道した際、クオモ氏は「我々は常に検査結果を報告してきた」と述べ、疑惑を否定。
しかし州議会の司法委員会は、Letitia James司法長官の調査結果をもとに、クオモ氏が病院で死亡した患者を含めないようにしたことで、老人ホームでのコロナウイルス関連の死亡者数を意図的に50%も少なく見積もっていた主張した。
また老人ホームの死者数については、FBIブルックリン連邦検事局によって現在も捜査が進められているという。
前知事のスポークスマンは擁護
一方で、クオモ氏のスポークスマンであるRich Azzopardi氏は8月25日に、前知事を擁護する声明を発表した。
「検査が広く利用できるようになった2020年8月に、DOH(州保健局)は、数字の正確性を確保するために、COVIDによる死亡が推定されるあらゆる人に対し、検査を行うことを義務付ける命令を出しました。そのため、州は確認されたCOVIDの死亡例を毎日報告し、明確に表示しました。同時にCDCは、検査で確認されていない “推定 “COVID死亡者数を要求しました。ニューヨーク州は常にこれらの数字を報告しており、常に公開されていました」
新知事の下での今回の集計では、自宅やホスピスなど、あらゆる場所で亡くなった人が含まれるようになったそうだ。
これによりニューヨーク州は、カリフォルニア州、ニュージャージー州、フロリダ州など、他のいくつかの州の報告方法と同じになったという。(了)
出典元:NBC:N.Y. Gov. Hochul adds 12K deaths to total coronavirus tally in show of ‘transparency’(8/26)