イエメンの子供たち1000万人に緊急の人道支援が必要:国連発表
サウジアラビアの隣国、イエメンにおいて多くの子供たちが危険な状況に追い込まれていることが明らかにされた。
1700万人が食料不足に苦しむ
イエメンでは現在、サウジアラビアから支援を受けた政府軍と、シーア派の反政府勢力、フーシ派との間で激しい戦闘が続いている。
国連のユニセフによれば、この長引く戦争の影響でイエメンには1000万人の子供たちに緊急の人道上の支援が必要だという。
そしてユニセフのイエメン事務所は先週の木曜日、フェイスブックページにおいて公式の声明を発表した。
その中で彼らは、イエメンにいる多くの子供たちには基本的な医療や十分な食料、水が与えられず、悪化した衛生状態の中で教育も受けられない状況が続いている、と述べている。
また国連WFP(世界食料計画)も、1700万人のイエメンの人々が食糧不足に苦しんでおり、次にどこから食料を入手できるか分からない状態だとしている。
さらに国連人道支援コーディネーターのJamie McGoldrick氏は先週の木曜日に、首都のサナアで行われた記者会見において、次のように述べている。
「イエメンにいる支援グループは資金を得るのに苦労しながらも、この国で蔓延したコレラに対処するため、また飢饉のリスクが高まる中で栄養不良との戦いのために供給物資を集めています。私たちはベストを尽くしています。しかしそれは私たちができることを、遥かに越えているのです」
1600人以上がコレラで死亡
国連のStephane Dujarric広報官も先週の水曜日に、次のように述べている。
「4月から始まったコレラの蔓延は、イエメンの21の州全てに広がっています。イエメンにはコレラと疑われている患者が27万人もいます。さらに4月後半以来、1600人以上が死亡しているのです」
このような事態の中、先日世界保健機関(WHO)とそのパートナーは、AdenやHodeidaという街に住む1万人を治療するため、30台の救急車や医療キットを含む、400トン分の医薬品や医療器具を受け取ったという。
さらに現在、経口水分補給によりコレラ患者を治療するために、イエメン国内の600カ所で合計2350床のベッドを設置する予定としている。
しかし膨大な数の患者数からすると、まだまだ多くの支援を必要としているそうだ。
フーシ派と政府軍との戦いはすでに2年にも及んでおり、戦闘や誤爆に巻き込まれ、これまでに1万人が亡くなっているという。(了)
出典元:Aljazeera:UNICEF: 10 million Yemeni children need urgent help(7/6)