マリウポリの解放を宣言したプーチン大統領の主張、米高官が「偽情報」と切り捨てる
アメリカ政府高官が、プーチン大統領の「解放宣言」について「偽情報」だと述べた。
「使い古された脚本からの偽情報」
昨日、ロシアのプーチン大統領は、ショイグ国防相との会談でウクライナ南東部の戦況を聞き、「作戦は成功した」や「マリウポリを解放した」と述べた。
しかしアメリカ国務省のネッド・プライス報道官は21日の記者会見で、プーチン大統領の「マリウポリ解放宣言」について聞かれ、次のように語ったという。
「プーチン大統領と国防相がメディア向けに行った、ここ数時間のショーが、使い古された脚本からの偽情報であると信じる十分な根拠があります」
“We’ve heard the Kremlin literally brag of plans to starve, to seal off, the brave Ukrainians who’ve sought to do nothing more but defend…the besieged city of Mariupol,” State Department spokesman Ned Price says after Pres. Putin claims “success.” https://t.co/OKJVE0sSjC pic.twitter.com/pTf9O3HCJS
— ABC News Politics (@ABCPolitics) April 21, 2022
「ハエも通さぬよう」包囲するよう命じる
ショイグ国防相はプーチン大統領への報告で、ロシア軍が、マリウポリのアゾフスタル製鉄所に立てこもる数千人のウクライナ軍とまだ戦っていることを認めていた。
そしてプーチン大統領は、「ハエも通さぬよう」厳重に製鉄所を包囲するよう命じ、「作戦は成功した、おめでとう」と勝利を宣言した。
この発言についてプライス報道官は「ロシア軍の能力不足と、ウクライナでの本来の目的を達成できなかったとしか考えられないことから、(国民の)目をそらそうとしたもの」と指摘。
またマリウポリのウクライナ軍は「持ちこたえている」とし、「彼らの勇敢な立ち回りは、ロシア軍の士気の急速な低下とは全く対照的です。ロシアがマリウポリの人々に課している戦術とは全く対照的です」と述べた。
さらに「クレムリン(ロシア政府)が、包囲されたマリウポリを守っている勇敢なウクライナ人を飢えさせ、封鎖する計画を文字通り自慢していると聞いています」と答えた。
実際に、製鉄所内の状況は、かなり悪化しているようだ。製鉄所を所有する企業「Metinvest Holding」のCEOであるYuriy Ryzhenkov氏によれば、状況は「破局に近い」という。
「戦争が始まった時、防空壕や工場の施設に食料や水をかなり備蓄していたので、しばらくの間、民間人はそれを使って基本的に生き延びることができました。しかし残念ながら、特に食料品や日用品は不足しがちです。今、そこは破局に近いと思います」とRyzhenkov氏はCNNに語っている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: 120,000 civilians blocked from leaving besieged city of Mariupol, says Zelenskiy – live(4/21)
出典元:ABC News:US calls Putin’s victory claim in Mariupol ‘disinformation’(4/21)