ロシアがウクライナ南部で防衛体制を強化:英国防省分析
イギリス国防省は7月17日、ウクライナ南部でロシア軍が防衛体制を強化しているとの分析結果を発表した。
ウクライナ南部へ人員や装備を移動
イギリス国防省は分析において、今後ロシア軍がすべての領域において軍事作戦を推し進めていくだろう、との見方を示した。
またロシア軍は現在、ウクライナ南部の占領地域における防衛を強化しており、マリウポリやザポリージャの間、またはヘルソンにおいて、人員や装備、軍事用貯蔵施設などを移動させているという。
さらにメリトポリでも警備体制を強化しているそうだ。国防省は次のようにツイートしている。
「ロシアの防衛的な動きは、予想されるウクライナの攻勢への対応である可能性がある。それらは、最近ドンバス地方を訪れたロシアの国防大臣の要求に対応するものであり、ウクライナ軍が(ロシアの)司令部、物流拠点、集中している部隊に対して行っている攻撃への対応とみられる」
その上でイギリス国防省は、東部のドンバス地方での戦いが続く中での南部の強化は、ロシア軍のマンパワーの点から考えても、ロシアの司令官が脅威を深刻に見ていることを示しているようだ、との見方を示した。
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 17 July 2022
Find out more about the UK government’s response: https://t.co/PpcuXmEzpX
🇺🇦 #StandWithUkraine 🇺🇦 pic.twitter.com/7MQE7lJlqH
— Ministry of Defence 🇬🇧 (@DefenceHQ) July 17, 2022
5万人のロシア兵が死亡、または負傷
一方、イギリスの国防参謀総長のトニー・ラダキン提督は17日、BBCの朝の番組に出演し、ロシア軍が陸上戦闘力の30%以上を失っているとし、次のように述べたという。
「このことは、紛争において5万人のロシア兵が死亡、または負傷していることを意味しています。また1700台のロシア軍の戦車と4000台の装甲戦闘車両が破壊されたのです。ロシアはウクライナ全土を手に入れるという野心を持ってこの侵攻を始めました。ロシアは最初の30日間で都市を手に入れるという野心を持ち、分断を作り、NATOに圧力をかけるという野心を持った。これはロシアによる、世界秩序に対する挑戦です。しかしロシアはこれらの野心のすべてにおいて失敗し、2月の初めより国も衰退してしまった」
ロシア軍が市民を盾にする?
またウクライナ側も、ロシア軍が今後、全ての地域において軍事作戦を強化するとみており、ウクライナでの攻撃の次の段階の準備をしているとの見方を示している。
さらにウクライナ軍は、南部のヘルソンでも着実に前進を続けていると主張している。
ただしウクライナ軍によると、南部へルソンにいるロシア軍は戦術を変え、「市民の背後に隠れようとしている」という。
ウクライナ南方作戦司令部は、ロシア兵が「人口密集地」に配備され、ウクライナが自国民の住む地域への攻撃を行わないことを望んでいる、との見方を示した。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Zelenskiy sacks head of state security and prosecutor general – live(7/17)