トラック横転で溢れ出た10万匹の鮭、そのまま川に流れ込みほぼ救かる
アメリカ·オレゴン州で鮭の幼魚を運んでいたトラック(タンク車)が横転。破損したタンクから10万2000匹近くが流れ出たが、幸運にも道路脇に川があったため、75%以上が無事で済んだ。
放流する幼魚を運んでいたトラック
3月29日、鮭の孵化場から大量の幼魚を積み、放流場所であるオレゴン州イムハナ川(Imnaha river)に向かっていたトラックが、途中、急カーブを曲がり切れずに横転。横倒しの状態で路面を滑り、53フィート(約16m)の車体を路肩に突き出す形で止まった。
この際の衝撃でタンクが破損し、中から幼魚が流出。残念なことに約2万6000匹は死んだが、ほぼ75%に当たる7万7000匹は飛び跳ねるなどし、道路に沿って流れるLookingglass Creekに飛び込んだ。
なお、トラックの運転手は軽い怪我を負っただけで済んだと報じられている。
事故現場に戻る鮭たち
オレゴン州魚類野生生物局(Oregon Department of Fish and Wildlife)のAndrew Gibbs氏によると、これらの幼魚はイムハナ川で数日間を過ごし、環境に順応した後、太平洋に向けて650マイル(約1046km)を泳いで行く予定だったとのこと。
大洋に出た鮭は、2~3年すると生まれ育った川に戻り、そこで産卵する。「鮭たちは、言ってみれば(水の)匂いを嗅ぎ分けるようにして、元いた場所まで戻って来るんですよ」とGibbs氏は言う。
今回の事故でLookingglass Creekに流れ込んだ鮭は、そこから川を下って太平洋に出ることになるそうだ。事故があった付近の流れを生まれ故郷と認識するため、数年後には事故現場とも言えるその場所に戻って来るとのこと。
オレゴン州では近年、川の鮭が減少しているため、孵化場で孵化・育成した幼魚を大量に放流している。(了)
出典元:Independent:Swim to freedom! Truck carrying 100,000 live salmon crashes – tipping fish into creek(4/9)
出典元:The Guardian:Thousands of young salmon survive Oregon truck crash by dropping into nearby creek(4/5)