子供を連れたリハビリ中の麻薬患者が100万円の指輪を拾う、その後の2人の行動は…
人の善意や誠実さというものを実感させる出来事が、米国オハイオ州であった。日本円にして100万円以上の価値がある指輪が、落とし主のもとに無事に戻った。
公園のトイレに置き忘れた指輪
米国オハイオ州ダブリン市に住むCaitlin Adkinsさんは、その日、夫のJakeさんと2人で市内のBallantraeコミュニティ・パークを訪れた。
家に帰ると、指にはめていた婚約指輪と結婚指輪が両方とも無くなっていた。
その指輪は、2つ合わせて1,000ドル(約113万円)近い値になるもの。しかも、Caitlenさんにとっては一生の記念であり、行く行くは娘に受け継がせたいと思っているものだった。
無くした場所としてCaitlenさんが思い当たるのは、公園のトイレだった。彼女は海外メディアにこう話している。
私は洗面台で日焼け止めを塗ろうとしたのですが、日焼け止めが指輪につくのが嫌だったので、指輪を外してポケットに入れました。
夫のJakeさんはすぐさま公園に行き、トイレをチェックしようとしたが、すでに閉園後で中に入れなかったそうだ。その後二人は、警察に届け出た。
少女と麻薬患者
この日、同じ公園に遊びに来ていたのが6歳の少女Tiny Duttonちゃんと、彼女の母親のボーイフレンドであるJohnさん。Johnさんはリハビリ中の麻薬中毒患者だ。
トイレを使ったTinyちゃんは、洗面台にキラキラ光る2つの指輪を見つけた。彼女に値段のことは解らなかったが、素敵に見えたことは確かなようだ。「それを見た時、マジックプリンセスだと思った」とメディアに言っている。
一方、Johnさんは麻薬に関わるような裏の世界を知っている人。指輪を一目見て、高く売れるものだと分かった。
おそらくJohnさんの胸の内には、売ってしまえという思いが過ぎっただろう。しかし、リハビリを目指す彼は、それまでとは違う人間だった。メディアの取材を受けてこう言っている。
僕は彼女(Tinyちゃん)にこう言いました。僕らは正しいことをしなきゃいけない、と。
指輪は僕らのものじゃないし、人が誰も見ていないところで何をするかで、その人の本当の性格が分かるとママがいつも言っている通りだよ、と彼女に言ったんです。
2人は指輪を警察に届け、そのまま立ち去った。
感謝の出会い
警察からの電話で指輪が届けられているのを知ったCaitlenさんは、拾った人の誠実さに驚き、「会ってお礼を言わなければいけない」と思ったそうだ。
そして何とかコンタクトを取り、Tinyちゃんと母親、そしてJohnさんの3人と面会した。Tinyちゃんはお礼として、おもちゃを好きなだけ買ってもらったそうだ。Caitlenさんは、皆が笑顔で写っている写真をFacebookに投稿している。
この出来事、当初は悲劇的な結果を予想させたが、こうしてハッピーエンドとなった。(了)
出典元:Liftable:Age 6 Girl Named Tiny Finds Woman’s $10,000 Wedding Rings at Park, Does the Right Thing(10/1)