機内で心停止の女性、医学部を卒業したばかりの男性が命を救う
今年医学部を卒業したばかりのDean LaBarbaさんは、人の命を救うという医者としてのキャリアを、これほど早くスタートするとは思っていなかった。
旅行帰りの飛行機で
LaBarbaさんは1カ月前、米国カリフォルニア州のローマリンダ大学医学部を卒業した。
妻のIvyさんと一緒に母国イタリアのシチリア島に帰り、家族や親戚と過ごした後、再びカリフォルニアに戻って医師として病院勤務を開始する予定だった。
旅行を終え、スイス・チューリッヒからカリフォルニアに向かっていた時のこと。
LaBarbaさんが映画「ジャスティス・リーグ」を観ていると、妻のIvyさんが同じ列に座っている女性客の様子がおかしいことに気がついた。その女性は前屈みになり、他の男性客に「気分が悪い」と訴えてからトイレに立った。だが、その場で倒れてしまった。
LaBarbaさんは、座席の合間の狭い空間に倒れた女性のところまですぐに這って行き、「大丈夫ですか」と大声で話しかけたが反応がない。脈はなく、肌は冷たくなっていた。
300人の乗客の中、医師は彼一人
LaBarbaさんは、キャビンクルーに機内アナウンスを頼み、乗客の中に医者がいないか探してもらったという。
だが、300人の乗客の中にいた医師は、前月に医学部を出たばかりの彼一人だった。
そこで、彼はクルーにAED(自動体外式除細動器)を持ってくるように指示し、同時に心臓マッサージを始めた。大声で回数を数えながら、両手を重ねて患者の胸を強く圧迫すると、幸いにも6回目で患者の意識が戻った。
それから僕はずっと彼女に付き添って、状態をチェックしました。血圧は低かったものの、血糖値は正常でした。
十分な検査ができない機内では、彼女が倒れた理由はわかりませんでした。
その後、彼女の状態は安定し、飛行機を緊急着陸させる必要はなかったそうだ。
後日メディアの取材を受けたLaBarbaさんは、300人の乗客の中で医者が自分一人だったことについて「人を救うのがあなたの使命です、と神様が教えてくれたように思います」と言っている。
妻のIvyさんはその時の彼の働きを見て、「涙が出るほど彼を誇らしく思った」そうだ。(了)
出典元:Loma Linda University Health News:School of Medicine graduate went from watching inflight movie, to real-life hero(7/2)
出典元:Good News Network:One Month After Med School, He Was the Only Doctor Aboard Overseas Flight to Save Woman’s Life(7/3)