ウクライナで暮らす動物を救え!ライオンなどを避難させたイギリス人
紛争が続くウクライナで、動物園から大型の肉食獣を避難させたイギリス人の男性がいる。
4日間に及ぶミッションに成功
その男性とは退役軍人のティム・ロックスさん(45)だ。彼は2人の仲間と共に先日、ウクライナの南東にあるザポリージャ州の動物園に向かったという。
そこはロシア軍との最前線から20キロしか離れていない場所で、閉鎖された動物園には、ライオンやオオカミが残されたままになっていた。
ロックスさんらはクレーンを使い、3時間かけて、ケージに入れられたライオンやオオカミを、バンの荷台に乗せたそうだ。
そして空襲警報が鳴り響く中、動物園を出発。ルーマニアまで西進し、無事に動物を運び出し、4日間に及ぶミッションを成功させたという。
自然保護活動家から動物の窮状を聞く
イラク帰還兵のロックスさんは、1人でも多くの人に援助を届けるためにウクライナ西部の都市、リヴィウに滞在していたという。
そしてホテルで出会った自然保護活動家から、ライオンとオオカミの窮状を聞かされたそうだ。
そこで檻の大きさと車の荷台の広さを計算し、確認してから、東へ600マイル(約966km)も離れた動物園に向かって出発したという。
24時間体制、交代で運転
ロックスさんらは24時間体制で運転し、交代でハンドルを握りながら、ウクライナの様々な検問所を通過し、3月19日に動物園に到着。
すでにライオンの「シンバ」はケージに入れられ、オオカミの「アキーラ」は獣医が鎮静剤を与えてから、別のコンテナに入れられたそうだ。
そしてロックスさんらは通訳を介して、ウクライナ人のクレーン運転手とコミュニケーションをとり、なんとかケージを車の荷台に積みこむことができたという。
そして空襲のサイレンが鳴り響き、外出禁止令が始まるまで35分しかない中で、警察のエスコートを受けながら、街を出発することができたという。
途中、ウクライナ側の検問では、運んでいるものを聞かれ「ライオン」と答えたが、守衛から「こんな時に冗談を言っている場合ではない」と言われたとか。
そこでロックスさんらは、実際に守衛にライオンを見せて納得してもらい、通過することができたという。(了)
出典元:METRO:Brits drive lion and wolf out of Ukraine in minibus on 1,200-mile rescue mission(3/21)