「まさにヒーローだ!」ナイフを持った男と対峙したタイの警官、その対応に賞賛の声
ナイフを持った男との緊迫したやりとりの中で、タイの警察官が見せた対応が素晴らしいと賞賛されている。
●男が警察署に押し入りナイフをかざす
その出来事が起きたのは、首都バンコクにあるHuay Kwang警察署内。6月17日の夜、そこへ突然ナイフを持った45歳の男が押し入り、脅かす様子が監視カメラで撮影されていた。
動画には痩せて小柄な男と対峙する1人の警察官の姿が映っている。その警察官はAnirut Malee巡査で、彼によればナイフを持った男はとても貧しい状態に見えたという。
動画の中のMalee巡査は机の角に腰掛け、落ち着いた様子で男に説得を試みている。しかし男の手にはナイフが握られており、突然興奮して襲いかかってきたら命の保証はない。
●巡査のとった行動が大きく報道される
それでもMalee巡査は優しく話し続け、やがて相手を落ち着かせた結果、ついに男はナイフを巡査に差し出した。
次の瞬間、Malee巡査は腕を大きく広げて近づくと、男を包むように抱きしめた。
しかも他の警察官が近づこうとするのを制止し、彼を隣にある椅子へと誘導して座らせた。
動画はここで終わっているが、この場面はタイのメディア「Sanook News」によって大きく報じられ、多くの人々が関心を寄せることに。
●「優しい心の持ち主であってほしい」
Malee巡査によれば、その男性は元ミュージシャンで、今は警備員として働いていたが、すでに3日間も給料が支払われておらず、非常に困窮していたという。
しかも最近、それまで持っていた自分のギターまで誰かに盗まれた、と告白したそうだ。
Malee巡査は取材に対し「私は彼からそのことを聞き出し、とても同情しました。だから言ったんです、『私にはギターがあるから、あなたに差し上げよう』と。そして一緒に外へ食事をしに行かないかと誘ったんです」と語っている。
その後、男性は精神状態を検査するために病院へ連れていかれ、しかも罪には問われなかったという。
このストーリーを聞いた人からは「これこそヒーローだ!」や「僕は警察官にはとても勇敢であってもらいたいと思うけど、やはり優しい心の持ち主であってほしい」といったコメントが寄せられているそうだ。
何が犯罪を生み、何が犯罪を止めるのか、これはそんなことを考えさせられるエピソードと言えるかもしれない。(了)
https://youtu.be/2cklIIXtNg0
出展元:9News:‘Hero’ Thai cop calms knifeman with big hug(6/20)