イエメン武装勢力が弾道ミサイルを発射、サウジアラビアが迎撃し撃ち落とす【動画】
サウジアラビアの軍がイエメンから飛来してきた弾道ミサイルを迎撃し、撃ち落としたことを国営メディアが伝えている。
弾道ミサイルを迎撃し、破壊に成功
サウジアラビアの国営メディア「Al-Ekhbariya」によれば、11月4日に首都リヤドに向けて、隣国のイエメンから弾道ミサイルが発射されたという。
弾道ミサイルはリヤドの北東にあるキング・ハーリド国際空港へ向かって飛来したとされるが、サウジアラビアの防空部隊が迎撃ミサイルを発射。弾道ミサイルに命中させ、破壊したと報じている。
このミサイルはキング・ハーリド空港上空で破壊されたとみられるが、現在のところケガ人や損害の報告もなく、空港も正常に機能しているそうだ。
弾道ミサイルによる攻撃はイエメンの反政府武装組織フーシ派によって行われたとみられており、彼らが運営するテレビチャンネル「Houthi Al-Masirah」も、キング・ハーリド空港へ向けミサイルを発射したことを発表しているという。
サウジアラビアはこれまでも、イエメンからのミサイルを、地対空誘導弾「パトリオット」などで迎撃しているが、今回のように首都付近に弾道ミサイルが飛来したのは初めてだとか。
https://youtu.be/3X0iSYp3w_8
空爆で多くの一般市民も巻き込まれ犠牲に
イエメンではAbedrabbo Mansour Hadi大統領率いる政府軍と、イスラム教シーア派の武装組織、フーシ派との間で内戦状態が続いている。
フーシ派はイランから支援を受けており、2015年にはイエメンの首都、サアナを占領。これに対し政府軍はサウジアラビアなどの援助を受け、両者は激しい戦闘を繰り広げてきた。
サウジアラビアを中心とする連合軍は、イエメンで支配地域を拡大しているフーシ派に対し、空爆を実施。ただしこの空爆では、一般市民の多くが巻き添えになっており、紛争が勃発してから犠牲者も約8600人に上るという。
しかも連合軍が空と海上を封鎖している影響で、イエメン市民の間では食糧不足が深刻化し、コレラの蔓延などでこれまで2100人以上が死亡したと言われている。
またAFPによれば、今回のイエメンからの弾道ミサイルの発射を受け、サウジアラビアは「イランによる軍事侵攻であり、戦争行為の恐れがある」と警告を行ったそうだ。
さらにイエメンから発射された弾道ミサイルがイラン製だったことを受け、6日にはフーシ派へのイラン製武器の流入を防ぐ名目で陸海空のイエメン国境を一時封鎖すると発表。イエメンにおけるさらなる人道危機の悪化が懸念されている。(了)
出典元:The guardian:Saudi Arabia intercepts ‘missile’ fired from Yemen(11/4)
出典元:AFP:サウジ、イランに警告=イエメンからのミサイル発射で(11/7)