機内のハッチを開けようとした男をCAがワインの瓶で殴打、乗客も協力し事故を防ぐ
アメリカのデルタ航空の機内で乗客の男が暴れ、非常に危険な状況に追い込まれていたことが明らかにされた。
突然、空港へ引き返すよう要求
その事件が起きたのは先週の木曜日、シアトルから中国の北京へ向かう国際線のボーイング787の機内とされている。
機内で暴れたのはフロリダ州タンパ出身の、Joseph Daniel Hudek IV容疑者(23)。男はシアトル・タコマ国際空港を離陸した後、キャビンアテンダントに空港へ引き返すよう要求。それが聞き入れられないと、突然出口のハッチを開けようとし始めたという。
しかしその後、キャビンアテンダントや他の乗客らが、Hudek容疑者を取り押さえ、空港へ着陸した後に男は警察に逮捕された。
ハッチの把手をつかみ開けようとする
FBI特別捜査官のCaryn Highley氏によって書かれた声明文によれば、Hudek容疑者は当初、ファーストクラスの最前列に座っていたという。
そして離陸する前にキャビンアテンダントにビールを注文するも、それ以降は他のアルコールを一切口にせず、酔っている様子はなかったそうだ。
しかし飛行を始めてから約1時間後、ちょうどバンクーバーの北西付近の太平洋上空を通過していた時、Hudek容疑者は前方にあるトイレに入り、すぐに出てきてからキャビンアテンダントにいくつかの質問をし、飛行機をシアトルの空港へ戻すよう要求してきた。
当然、そんな要求は受け入れられない。容疑者も一旦席へ戻ったようだが、2分後に再び席を立つと突然、出口のハッチに突進し、ドアの把手をつかんで開けようとし始めたという。
CAもワインの瓶で男の頭を殴る
その様子に気づいた2人のキャビンアテンダントは容疑者を取り押さえようとしたが、激しく抵抗されたため、すぐに他の乗客に助けを求め、コックピットにも電話で事態を知らせたという。
そして再び取り押さえようと試みるが、Hudek容疑者はキャビンアテンダントの顔に2回もパンチを浴びせ、少なくとも1人の乗客の頭を赤ワインのボトルで殴りつけたそうだ。
さらに争いは続き、今度はキャビンアテンダントが2本のワインの瓶をつかみ、男の頭を殴りつけるがダメージを与えられず、逆にHudek容疑者は「俺を誰だと思っているんだ!」と叫んだとされている。
しかし最終的に数人の乗客らによって男は取り押さえられ、その後結束バンドで両手を縛られたという。
FBIが機内の惨状を写真で公開
結局、飛行機はシアトルの空港へ引き返し着陸。そこでHudek容疑者は警察に逮捕された。そして乗客を乗せた飛行機は、その夜に再び北京へ向かって飛び立っていったという。
しかし容疑者が暴れた機内はひどい惨状になっており、FBIによって公開された写真には、当時の凄まじい状況が映し出されている。
Hudek容疑者は先週、アメリカの地方裁判所に出廷したが、審理が終われば20年の刑と罰金25万ドル(約2800万円)の判決が下される可能性があるそうだ。
あと一歩間違えれば大惨事になりかねなかったが、それを防いだのはキャビンアテンダントのとっさの判断と、乗客たちの勇気ある行動だったに違いない。(了)
出典元:WWLP:FBI: Flight attendant broke wine bottle over man’s head(7/7)