英自爆テロで、現場に駆けつけ負傷者を助けたホームレスたちがヒーローに
22人が死亡し、59人以上がケガを負ったイギリス、マンチェスターでの自爆テロ。
事件が起きた際、いち早く負傷者を助けたとして、ホームレスの男性らの行為が称えられている。
●爆発音を聞いた後、ケガ人のもとへ急行
そのうちの1人、Stephen Jonesさん(35)は22日、アリアナ・グランデさんのコンサート会場「Manchester Arena」で自爆テロが起きた時、建物のそばで眠っていたそうだ。
しかし爆発音を聞いた後、彼や他のホームレス仲間らは、助けを求めている人々のいる場所へ急行。
すると、そこには血にまみれて泣き叫ぶ多くの子供たちの姿があり、体には爆弾に仕掛けられていたとみられるクギが刺さっていたという。
●顔や腕からクギを抜き続ける
しかし当時はまだ救急車も来ていない。そこでJonesさんらは子供たちの顔や腕から、クギを抜き手当を行ったとされている。
Jonesさんは ITV Newsの取材に対し「私たちはケガをした人からクギを抜き続けていました。幼い少女の顔からもいくつかのクギを抜きました」と語っている。
またある女性は体の横側が切られ、足から出血の恐れがあったという。そのためJonesさんと仲間は、救急車が来るまで出血を食い止めるため、足を持ち上げ続けたそうだ。
Jonesさんは取材に対し次のように語っている。
「彼らは助けを求めていました。人々のところへ行き、助けたのは本能によるものです。もし助けなかったら、またあのような子供達を置き去りにしていたら、もはや私は生きることはできなかったでしょう。ホームレスだからといって、私は心を失ったわけでも、もはや『人ではない』というわけでもなかったんです」
●女性を抱いて会場の外へ連れ出す
さらに別のホームレスの男性、Chris Parkerさん(33)も爆発の後にアリーナへ駆けつけたという。
彼はその時、爆風で両足を失った女の子を救助。また頭などに酷いケガを負った女性を抱いて会場の外へと出てきたが、残念ながらその女性はやがて彼の腕の中で息を引き取ったそうだ。
Parkerさんは涙が止まらず、その場で泣き続けたという。
しかしこのようなParkerさんの勇気をたたえ、現在クラウドファンディングのページが開設され、3時間で2000ポンド(約29万円)の援助が寄せられている。
当時は多くの観客が会場から逃げ出していたが、それでも現場へ向かい、負傷者を救おうとした彼らの勇気は人々の心を動かしているそうだ。(了)
出展元:INDEPENDENT:Manchester terror attack: Homeless man ‘pulled nails out of child’s face’(5/23)
出展元:Mirror:‘Long-lost mum’ of homeless hero who rushed to help terror attack victims desperate to be reunited with him(5/23)