銃撃戦の流れ弾が母親の胎内を貫通、撃たれた赤ちゃんが奇跡的に誕生
ブラジルで銃撃戦に巻き込まれ、胎内で多くのケガを負った赤ちゃんが、無事産まれたとして注目されている。
流れ弾が胎内を貫通、赤ちゃんが負傷
その赤ちゃんとはリオデジャネイロで生まれた男の子、Arthur君。
彼の母親であるClaudineia dos Santos Meloさん(28)は事件に巻き込まれた当時、妊娠9カ月目に入りすでに予定日を過ぎていたという。
そして先週の金曜日におむつを買いにショッピングへ。しかしDuque de Caxiasというスラム街を歩いていた時に、警察と犯罪集団との銃撃戦に遭遇。流れ弾で臀部を撃たれてしまう。
しかも流れ弾は胎内にまで貫通。お腹にいたArthur君も脊椎を含め多くの箇所にケガを負ったそうだ。
麻痺が残るも、治る見込みもあり
その後、Claudineiaさんは急いで病院へ運ばれ、すぐに緊急手術を受ける。そして帝王切開によって、奇跡的にArthur君が誕生した。
婦人科医のJosé Carlos Oliveira氏は「彼が生き残ったのは、目の前で起きた奇跡のようなものです。このようなケースは今まで一度も見たことがありません」と語っている。
Arthur君も生まれてからすぐに治療を受けたそうだが、ケガの影響により現在は両足が麻痺しているという。ただし命は取り留めており、今後足も回復する見込みがあるそうだ。
父親であるKlebson da Silvaさん(27)も地元紙の取材に対し「“戦いに勝った”Arthurの姿を見て、今は希望で満たされています」と答えている。
また母親のClaudineiaさんも現在は容態が安定しており、自律呼吸が出来る状態と言われている。
約半年で66人が流れ弾で撃たれる
人権団体によればブラジルでは、警察と麻薬組織などの犯罪集団との銃撃戦が、街で多く発生しているという。
そして通りを歩く住民らが事件に巻き込まれ、流れ弾に当たるケースも少なくないそうだ。
実際にFolha de Sao Paulo紙の調査でも、今年の1月から5月中旬にかけて、リオの都市部だけですでに66人が流れ弾で撃たれており、そのうちの3分の1が死亡という結果が出ているとか
またリオの多くの地域では1月だけで、749件の銃撃事件が起きているという。(了)
出展元:BBC:Brazilian family hold hope for ‘miracle’ baby shot in womb(7/4)