Vilma Vneshta/Facebook

7月17日、アメリカのストリートレースで死亡事故を起こしたのにもかかわらず、現場から逃走したアルヴィ・リマニ（20歳）がマイアミで国外逃亡を図っていたところを逮捕された。ともに逮捕されたのは、ヴィルマ・ヴネシュタ（42歳）。リマニのママだった。

BMW同士のストリートレースで死亡事故

6月29日、ニュージャージー州の高速道路で、ストリートレースに参加していたリマニ。しかし、他の車両と衝突し、車が複数回横転するという大事故を引き起こしてしまった。

この事故で、同乗者のアルビオン・ヒセナイ（20歳）が車外に投げ出され、現場で死亡。別の同乗者も重傷を負い病院へ搬送されている。しかし、リマニ本人はもう一人の同乗者であるエミリー・ハリントン（19歳）とともに、徒歩で現場から逃走していた。

この時、リマニが運転していた車がBMW X3。レース相手はジェーター・オガンド（23歳）が運転していたBMW M5。BMW同士のレースだった。高性能エンジンと加速力が魅力のBMWだが、残念ながらストリートレースで使用されることも少なくはない。

ママと国外逃亡を図って逮捕

7月17日、リマニは国外逃亡を図ったとして、マイアミで逮捕された。この時リマニは1人ではなく、ママと一緒に逃げようとしていたという。なお、逃亡先は明らかにはされていない。

▼左がリマニ、右が母親のヴネシュタ。2023年の母の日に投稿された仲の良さが伝わってくる写真だ

母子はニューヨーク州、スタテンアイランド在住。母親はヘアスタイリストとして国内外で活動しており、ブライダルなどの晴れの場で人々を美しく演出してきた。今回の逮捕により、そのキャリアの継続は困難になる可能性がある。

重大な罪で起訴される

リマニらは現在、事故を起こしたニュージャージー州に送還され、裁判を待っている状態だ。

リマニは、加重過失致死（第1級）、車両による殺人（第2級）、事故現場からの逃走、無免許運転による死亡事故、負傷者の危険放置、記録改ざんなどの複数の罪で起訴されている。

ストリートレースやあおり運転など、危険な運転行為が命を奪った場合に適用されることがある「車両による殺人（第2級）」は、ニュージャージー州では最大で終身刑が科される重罪だ。レース相手だったオガンドも、同じく車両による殺人で起訴されている。

また、母親も逃亡幇助（第3級）で起訴。リマニとともに現場から逃走した、ハリントンも逃亡幇助や共謀による危険行為などに問われている。

重大な事故を引き起こし、友人の命を奪ったリマニ。現場から逃走した事実は、責任から目を背けた行動として厳しく問われるだろう。（了）

参考：CrimeOnline「Mom and Son Caught Trying to Flee Country After Deadly Street Racing Crash」（8/11）

参考：SILive.com「Alvi Limani, Staten Island suspect in fatal NJ crash, extradited with mom after fleeing to Florida」（8/12）