ドイツで熱波の影響により川魚が大量死、窒息した約5トンの死骸を回収
欧州を襲う熱波により各地で山火事などの被害が出ているが、ドイツの川では魚も大きな影響を受けている。
川魚が窒息状態に陥る
ドイツのいくつかのエリアでは先週の木曜日に気温が38℃に達し、ライン川やエルべ川などの水温が上昇、多くの淡水魚が窒息状態に陥ったという。
しかもハンブルクでは当局が、先週末にかけて池から1万1000ポンド(約5000kg)もの大量の魚の死骸を回収したとされている。
このため消防隊員らが、いくつかの湖や池の酸素レベルを上げるために、新鮮な水をポンプで供給し始めたそうだ。
水位の低下で船の使用も禁止
またドイツにあるいくつかの原子力発電所も、発電施設を冷やすために使われる川の水があまりにも暖かくなりすぎ、また使用後は温かい水を川へ放出することから発電を制限し、エネルギーの生産量を減らしたという。
さらに川の水位も低下しているため、船での輸送も困難になり、ドイツ東部を流れるオーデル川では船の使用も禁止されたとか。
一方、川の水や雨水の減少は農業も直撃。穀物の収穫量は昨年に比べて20%も低下し、約12週間も雨が降らなかったため、菜種の収穫量も30%ダウンしたと言われている。
このためドイツの農業協会は政府に対し、損失を補填するため11.7億ドル(約1300億円)の財政支援を求めているそうだ。
World News Today Germany: Fish are dying in rivers from heatwave https://t.co/kEQxNaPbFh pic.twitter.com/kpvi89Auyn
— Yhame! (@Yhamegroup) August 2, 2018
海では有害なバクテリアが繁殖
しかもこの影響は川の水だけではない。海水温の上昇により、海ではたいてい暖かい海に生息する有害なバクテリアも繁殖したという。
このためポーランドでは、海水温が23℃を越えたバルト海沿いにある、50以上のビーチを閉鎖。
実際に、西のSwinoujscieから東のGdyniaまでのビーチでは緊急救助隊員らが海水浴客らに対し、藻の仲間であるシアノバクテリアのコロニーが拡大し、健康被害を与える可能性があることから、海へ入らないよう警告している。
まだこの他にもさまざまな影響が出ているようだが、これ以上被害が拡大しないことを願う。(了)
出典元:Daily News:11,000 pounds of dead fish pulled from rivers in Germany as heatwave hits Europe(7/31)
出典元:euronews:Germany: Fish are dying in rivers from heatwave(8/2)