センチネル族が米国人宣教師を殺害か、メモに綴られた当時の状況とは?
若きアメリカ人宣教師が、インド洋に浮かぶ島で暮らす非接触部族に殺害されたとみられ、当時のメモが公開されている。
センチネル族との接触を試みる
その宣教師とは、カナダのバンクーバーに住んでいたJohn Allen Chauさん(26)。彼は11月にインド洋に浮かぶ北センチネル島に到着。そこで1人カヤックに乗って、岸へと近づいていったという。
島にはインドの法律で保護され、これまで文明と接触することを避けてきたセンチネル族がおり、Chauさんは彼らに接触を試みたそうだ。
しかしその後、渡航を手伝った地元の漁師たちが、Chauさんの殺害される様子を目撃。アンダマン・ニコバル諸島の警察も、その話をもとに彼が殺されたとみている。
部族の子供が矢を放つ
ワシントン・ポストでは、Chauさんが母親にあてた日誌の内容を公開。島へ近づく前の11月16日には、次のようなメモを書いていたという。
「人は皆、僕が全くクレージーだと思うかもしれない。でも僕は部族の彼らにイエス・キリストを伝えることは価値があると思っている。神よ!僕は死にたくありません」
またその後の出来事について、Chauさんは次のように書いていたそうだ。
「その部族は5フィート5インチ(1m65cm)ほどの背丈で、顔に黄色いペーストを塗っていました。彼らは僕の出現に怒って反応しました。僕は『私の名前はJohnです。私はあなたたちを愛している。神もあなたたちを愛している』と大声で叫びました」
しかしその時、部族の子供(若者)が矢を放ち、それが防水性の聖書に突き刺さったと綴っている。
上陸には数人の漁師が関与
センチネル族は外界から完全に孤立して暮らしてきたと考えられ、他文明の人間との接触を避け、時には攻撃的な行動に出たこともあったとか。
実際、この島では過去に地元の漁師がセンチネル族に殺害されており、以来島の9km以内への接近は法律で禁止されているそうだ。
Chauさんは数人の漁師の力を借りて違法にこの島へ渡ったとみられ、彼の宣教師仲間も旅の手配を手伝ったと言われている。(彼らは全員逮捕されている)
事件後、宣教師の仲間は母親のLynda Adams-Chauさんに対しメールで「漁師は翌日、部族らがビーチで彼を埋葬しているのを見たそうです」といった内容を伝えてきたという。
Chauさんはインスタグラムにも写真を投稿しており、そこでは次のように語っていたという。
「なぜこの美しい場所が、多くの死を生み出す場所でなければならないのか?僕はこれが最後のメモの1つにならないことを願っています」(了)
出典元:The Washington Post:‘God, I don’t want to die,’ U.S. missionary wrote before he was killed by tribe on Indian island(11/21)
出典元:NYPost:Missionary wrote ‘God, I don’t want to die’ right before tribe killed him(11/22)