「日本へ帰れ!」「店を爆破する」米で日本人経営の店に差別的な貼り紙:全文
先日、アメリカで日本人の店に対し人種差別的な内容の紙が貼られ、現在警察がヘイトクライムの疑いがあるとして捜査を開始している。
日本料理の道具を売っている店
その事件が起きたのはカリフォルニア州南西部、ロサンゼルス近郊の街、トーランスにある日本人が経営する店だ。
この店では日本料理の調理器具などを扱っており、6月15日に従業員が店のドアに、悪意のこもった紙が貼られているのを発見したという。
その紙にはタイプされた文字で次のように書かれていたという。
ここはアメリカだ、われわれはお前たちが売っているものを必要としていない。
ここはアメリカだ。お前らが売っている本物のくだらない物は何もいらない。出て行ってほしい。
言うことを聞かないなら、お前の店を爆破するつもりだ。住んでいるところはわかっている。
お前らの居場所に帰れ。
日本へ帰れ、猿! お前らがいると気分が悪くなって、反吐が出る。
俺たちは今、これ(爆破)を起こさせるつもりだ。帰れ、国に戻れ。
お前らの店が憎い、ここから出て行ってほしい。
言うことを聞いた方がいい、言うことを聞かないと深刻な問題を抱えることになるだろう。
もし出ていかないのなら、お前らはアメリカにいるということを忘れるな。我々はやりたいことは何だってできる。
そもそも、なぜお前らはここにいるんだ?
お前らの食べ物は自宅で料理しない、特にお前らの食べ物はな。
お前たちにはここに留まってほしくない。帰ってほしい。国に帰れ。
警告!警告!警告!
お前らはこれらの言葉を聞くべきだ。もしそうしないのなら、黙って見ていろ。国へ帰れ!
"Do not forget you are in America. We can do anything we want." This racist, threatening note was found pinned on Japanese cookware shop in Torrance. https://t.co/GthJVa0miZ pic.twitter.com/tDED913YUz
— Angry Asian Man (@angryasianman) June 17, 2020
63歳でアメリカに移り住む
この店のオーナー(名前などは明らかにされていない)は日本で数十年ビジネスに携わった後、63歳の時にアメリカへ移り住み、以前観光で訪れた「South Bay」の街を選んだという。
そしてすでに9年間も、日本料理の道具を扱うこの店を経営してきたそうだ。オーナーは次のように語っている。
「この脅しは、本物だと感じています。私はこのような貼り紙を見て、失望しています。なぜなら私はアメリカを愛しているからです」
またこの貼り紙を見つけた従業員の「ヒロ」さんも、このような大胆な人種差別の脅しにショックを受けているとし、次のように述べている。
「それがヘイトクライムだとは分かっています。(しかし)彼(犯人)が日本人を好きではないのか、それともアジア人が好きではないのかは分かりません」
Owner of a #Japanese cookware store in Torrance holds a hate note found taped to the front of the business last Monday. @latimesphotos @latimes #racism #hatenote #hate #threat pic.twitter.com/z4FxaBEQUc
— Irfan Khan عرفان (@latfoto) June 17, 2020
今まで一度も経験はない
オーナーも「ヒロ」さんも、このような憎悪に満ちた言葉をかけられたことは、今まで一度もないという。
また客に見られていると感じさせないため、店にも防犯カメラをつけていなかったとか。しかし今回の貼り紙によってカメラを付けることを決めたそうだ。
警察は、人種や宗教に対する偏見に基づいた犯罪、「ヘイトクライム」の疑いがあるとして捜査を始めている。
NHKによれば、トーランスは、日系企業の駐在員などが多く住み、日本人向けの商店が多い地域で、今回の事件を受けてロサンゼルスにある日本の総領事館は注意を呼びかけたという。(了)
出典元:NBC:‘Go Back to Japan’: Torrance Police Investigate Hate Crime After Store Finds Threatening Note(6/16)
出典元:NHK:米 日本人経営の商店に「日本に帰れ」貼り紙 警察が捜査(6/18)