フィジーで台湾と中国外交官との間に暴力事件、1人がケガを負う
南太平洋にあるフィジーで、台湾と中国の職員の間で暴力事件が起き、現在警察により捜査が進められている。
台湾の建国記念日のパーティーで
その事件が起きたのは10月8日、場所はフィジーの首都、Suvaにある「グランド・パシフィック・ホテル」とされている。
当時、ホテルでは、実質的に台湾の大使館の役割を果たしている貿易事務所が主催した、台湾(中華民国)の国慶日(建国記念日)のレセプションが行われていたという。
そのパーティーには100人の著名な人々が招かれていたが、会場に中国外務省の職員2人が入ろうとしたそうだ。
台湾の職員が頭にケガを負う
台湾の外交部によれば、貿易事務所の職員は中国外務省の職員らが、写真を撮り、出席者の情報を集めようとしていたとして、2人に退去するよう求めたという。
その時、台湾側の職員が中国外務省の男に暴行を加えられ、頭部を怪我し、その後病院で治療を受けたそうだ。
このため台湾外交部のスポークスマンであるJoanne Ou氏は、「私たちは、法の支配と文明化された行動規範に重大な違反をしたとして、在フィジー中国大使館職員による行動を強く非難します」と述べている。
また台湾の外務大臣であるJoseph Wu氏も、月曜日にツイッターで次のように投稿している。
「主権国家として、私たちは毎年どこでも#TaiwanNationalDayを祝い続けます。 台湾は世界の善のための力であり、私たちは恐れることはありません」
We strongly condemn the violence against our diplomat in #Fiji🇫🇯 by #China‘s uncivilized “wolf warriors.” As a sovereign state, we’ll continue celebrating #TaiwanNationalDay everywhere, every year. #Taiwan🇹🇼 is a force for good in the world & we won’t be intimidated. JW
— 外交部 Ministry of Foreign Affairs, ROC (Taiwan) 🇹🇼 (@MOFA_Taiwan) October 19, 2020
中国側は異なった説明
一方、中国側は異なった説明をしており、在フィジー中国大使館は、自国の職員が会場の外にある公共エリアにおり、通常の「公務」を行っていただけだと述べている。
そして台湾の職員の方が挑発的な行動をとり、中国外務省の職員1人がケガを負ったと発表した。
その上で中国外務省のスポークスマンは10月19日に記者会見において、「現場には偽の国旗(台湾の国旗)が公然と飾られていて、ケーキにも偽の国旗が記されていました」と語っている。
どちらが暴力を振るい、どちらがケガをしたのか、まだ情報が錯綜し、詳細は分かっていないようだが、現在フィジーの警察が捜査を続けているという。(了)
出典元:BBC:China-Taiwan tensions erupt over diplomats’ fight in Fiji(10/19)
出典元:The Washington Post:Taiwan, China trade accusations after staffers fight in Fiji(10/20)