フランスで警察官による黒人暴行事件が発生、激しい抗議デモが行われる
フランスで警察官が黒人男性に暴行を働く事件が起き、これに対する抗議デモが各地で行われた。
警察官による暴行の動画が流出
その事件が起きたのは11月21日、場所はパリにある音楽スタジオの中だという。
当時、ブラック・ミュージックのプロデューサーであるMichel Zeclerさんが自分のスタジオ内に入ろうとしていたが、その時彼がマスクをしていないことに警察官が気付いたそうだ。
やがて3人の警察官が突然、Zeclerさんを車から引きずり降ろすと、スタジオのドアのところまで押し、家に押し入り、暴行を働いた。しかもその後、一旦外へ押し出された警察官らは窓ガラスも割り、部屋の中に催涙弾を投げ込んだといわれている。
警察官はZeclerさんに対して人種差別的な発言も行っていたとされ、暴行の様子は監視カメラに捉えられており、その映像がネットにも流出した。(下の動画は激しい暴力シーンとなっているため、閲覧にはご注意いただきたい)
フランスのマクロン大統領もこの暴行動画を見て、警察官の行為を恥ずべきことだと非難。警察に対する人々の信用を取り戻す方法を探ると述べている。
極左グループも加わり、警察と対立
その一方で政府は、勤務中の警察官の顔の公開を規制するなど、報道するジャーナリストたちの権利を抑制するような法案24条を議論していたそうだ。
このためパリではジャーナリストの団体や市民の自由を守るグループなどが、抗議デモを主催。黒人の若者らも集まり、「誰が警察の暴力から私たちを守るのか」や「警察は暴力をやめろ!」と書かれたプラカードを掲げ、街を行進したという。
さらにそこに過激な極左グループも加わった結果、警察と激しく衝突したそうだ。
過激なデモ参加者は車に火を点け、通りをバリケードで封鎖。警察も石を投げてくるデモ参加者に対し、催涙弾で応戦し、現場は混乱を極めたという。
このような事態に至り、フランスのJean Castex首相は法案を検証する独立委員会を設置し、法案24条を書き直すことも検討しているそうだ。
またZeclerさんを暴行した4人の警察官は現在、停職処分となり、30日に予審が開かれることが決まり、2人の拘留が決定された。(了)
出典元:The Guardian:French security forces fire teargas at press freedom protesters(11/28)
出典元:The Guardian:Paris police filmed beating music producer in studio(11/26)