ハッカーが米核兵器関連の部署をサイバー攻撃、3つの州もハッキングされる
アメリカの核兵器を扱う機関や、少なくとも3つの州にある部署がハッカーによる攻撃を受けた。
このハッキングは、複数の連邦政府機関を対象としたロシアによるサイバー攻撃の一部と疑われている。
核兵器を保管する部署にサイバー攻撃
ある情報筋によれば、先日エネルギー省と、核兵器の保管を担当している「国家核安全保障局(エネルギー省に所属)」が、大規模なサイバー攻撃の標的にされたという。
この攻撃はロシア人のハッカーによるものと疑われており、機密扱いではないシステムに影響を与えたそうだ。またこの事件は、最初にニュースメディアの「Politico」によって報告された。
さらに現在調査を進めている別の情報筋の人物は、3つの州の部署がハッキングで突破されたと述べている。ただしどの州が攻撃を受けたのかは明らかになっていない。
バイデン次期大統領が声明を発表
12月17日には広く警戒が呼びかけられ、国土安全保障省の「サイバーセキュリティ・インフラストラクチャー・セキュリティ庁」は連邦政府や州政府、地方政府、重要なインフラ施設や民間部門にも「重大なリスク」がもたらされたと述べている。
また同庁によれば、ハッカーは「洗練された複雑な技能」を示したという。
トランプ大統領は、このハッキングについてまだ正式にコメントをしていないが、次期大統領のジョー・バイデン氏は17日に声明を発表。次のように述べている。
「米国企業や連邦政府機関を含む、潜在的に数千人の犠牲者に影響を与える大規模なサイバーセキュリティ侵害のように見える。明確にしておきたいのですが、私の政権は政府のあらゆるレベルでサイバーセキュリティを最優先事項としています。そして、就任した瞬間からこの違反への対処を最優先事項にします。そのような悪意のある攻撃の責任者に、かなりのコストを課すことを誓っています」
ロシア政府は関与を否定
もっともロシア側は、今回のハッキングへの関与を否定。また事件の詳細についても、明らかになっていない。
ただハッカーが、広く使われているソフトウェア会社「SolarWinds」のプログラムに、悪意のあるコードをインストールすることにより、ネットワークにアクセスしたと考えられている。
そして「SolarWinds」の顧客には政府機関や全米上位500企業が含まれていたそうだ。
またある情報筋の話によれば、この攻撃で国土安全保障省、財務省、商務省、州の各部門も侵害されたという。(了)
出典元:Fotune:U.S. nuclear weapons agency hacked by suspected Russians(12/18)