イスラエル兵に撃たれた3歳の男の子、病院で死亡
先日、パレスチナ人の幼い男の子が、銃撃戦の最中、イスラエル兵によって銃で撃たれる事件が起き、その後病院で死亡が確認された。
父親と車に乗っている時に頭を撃たれる
その男の子とは、3歳のモハメド・アル・タミミ君だ。
彼は6月1日、イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸で、父親と車に乗っている時に、イスラエル兵によって頭を撃たれたという。
その後、テルアビブ近郊の病院へ搬送され、危篤状態が続いていたそうだ。そして病院関係者は6月5日、タミミ君が死亡したと発表した。
父親のハイサム・アル・タミミさん(40)も負傷し、現在もパレスチナの病院で治療を受けている。
イスラエル軍も、最終的に銃撃を認める
父親のハイサムさんのケガは、生命に危険が及ぶものではなく、彼は記者団に対して「叔父の家に行くために息子のシートベルトを締めたところで、車が銃撃された」と語った。
イスラエル国防軍(IDF)は当初、パレスチナの武装集団が発砲してきた後、自軍の部隊がナビサレ村の近くで発砲したと説明。このため親子の負傷をパレスチナ側の攻撃のせいにし、誰が撃ったのかは、明らかではないと主張していた。
しかしその後、この事件に関して調査をすると表明。その結果、2人の親子がイスラエル兵の銃撃によって負傷(その後、死亡)したと認めた。
IDFは声明の中で、「非戦闘員への危害を遺憾に思い、このような事件を防ぐために全力を尽くす」と述べている。
調査へ至る事件の割合は低い
IDFによると、ヨルダン川西岸でパレスチナ人が殺害された場合、戦闘環境下で死亡した場合を除き、すべてのケースで初期調査を開始するという。
しかし同様の事件は過去にも起きており、イスラエルの人権団体「Yesh Din」が分析した軍のデータでは、2017年から2021年の間に、調査に至った事件は21.4%しかなかったそうだ。
しかも調査が行われた248件のうち、実際に起訴に至ったのはわずか11件で、その割合は0.87%だったという。(了)
出典元:The Guardian:Three-year-old Palestinian boy shot by Israeli soldiers dies in hospital(6/5)