アラスカ州で氷河湖が決壊し、洪水が発生、住宅が押し流される
アラスカ州ジュノー市当局は、氷河が解けてできた湖の決壊による洪水が、市近郊に大きな被害をもたらしているとして、緊急事態宣言を発令した。
氷河湖を含むダムが決壊
その氷河湖とは、メンデンホール湖だ。アラスカ州都の北約12マイル(約19m)に位置する「スーサイド・ベイスン(Suicide Basin:盆地)」にあるとされている。
この盆地はメンデンホール氷河のそばにあり、8月5日には大雨により、氷河湖を含むダムが決壊したことで、洪水が発生したという。
この洪水で。メンデンホール川沿いのいくつかの建造物が倒壊し、川に流されたそうだ。下の動画では、まず川岸の木が次々と倒れ、やがて家屋が川に落下していく様子が映っている。
This is from the Mendenhall River Floods in Alaska.
This happened over a span of six hours. 😧
Can you imagine watching that happen to your home knowing there’s nothing that can save it? pic.twitter.com/VGxXMFlWqI
— Ryan Shead (@RyanShead) August 6, 2023
今回のような洪水を予期していなかった
国立気象局ジュノーの水文学者アーロン・ジェイコブス氏によれば、このレベルの洪水が発生する確率は1%未満だったという。
国立気象局も、今回の洪水を「極端な出来事」と表現しており、ジェイコブス氏も「このようなことが起こりうるとは、思ってもみませんでした」と述べている。
メンデンホール湖の水位は、8月5日の現地時間午後11時15分頃に14.97フィート(約4.6m)となり、2016年7月に記録した11.99フィート(約3.7m)を大きく上回ったそうだ。
その後、水位は非常に早いペースで低下したが、ジュノー市によると、この洪水で橋を含むいくつかの道路が閉鎖されたそうだ。
国立気象局によると、「スーサイド・ベイスン」では2011年以来、氷河湖決壊が発生し、メンデンホール湖とメンデンホール川沿いで氾濫を引き起こし続けているという。
氷河湖決壊による洪水は、世界の1500万人が直面している問題と指摘されており、インド、パキスタン、ペルー、中国などでも同様のリスクを抱えていると言われている。(了)
出典元:ABC News:Glacial break causes major flooding in Alaska, officials issue emergency declaration(8/7)