ニュージーランドの首都で、100年ぶりに「キウイ」のヒナが誕生
ニュージーランドの首都、ウェリントンにおいて、国鳥である「キウイ」のヒナが誕生した。
野生に返す取り組みから1年
夜行性の飛べない鳥である「キウイ」は、ニュージーランドでも最も脆弱な鳥で、すでに何世代にもわたって、首都のウェリントンには生息していないと考えられてきた。
そこで「キウイ」を自然に返す取り組みが行われ、2022年11月にはウェリントン中心部の西にある、マカラの丘陵地帯の広大な農地に、11羽の「キウイ」が放たれたという。
また今年の2月から5月にかけても、さらに52羽が放たれ、今後5年間でさらに200羽が放たれる予定となっている。
そんな中で先日、2羽の野生のヒナが確認された。ウェリントンで「キウイ」のヒナが誕生したのは、100年以上ぶりのこととされている。
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現在は6万8000羽にまで減少
かつてニュージーランドには、野生の「キウイ」が推定で1200万羽いたとされるが、外敵の侵入と生息地の喪失により、現在は6万8000羽にまで減少しているという。
特に「キウイ」のヒナは、オコジョなどの捕食動物に対して弱く、大人になり、大きな爪で撃退できるまでには、数カ月かかるそうだ。
このため、「キウイ」を自然に返す取り組みの「キャピタル・キウイ・プロジェクト」では、100人以上の地主が、生息地に4600台のオコジョの罠を設置する許可を与えてくれたという。
「キャピタル・キウイ・プロジェクト」の創設者であるポール・ウォード氏は、「このプロジェクトがこれほどの成功を収めたのは、コミュニティの熱心な賛同のおかげだ」とし、次のように述べている。
「キウイが繁殖していることは、本当にとてもうれしいことです。この地域が生息に適していることを証明する、非常に素晴らしい大きな節目です」
ただし「キウイ」のヒナは今、野生の中で自分の身を守る必要があり、大人に成長するまでの数カ月間が、非常に重要だという。(了)
出典元:The Guardian:‘Very sweet milestone’: kiwi chicks born in Wellington for first time in a century(11/30)