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米動物園で、妊娠したゴリラが病気となり、帝王切開で出産

米動物園で、妊娠したゴリラが病気となり、帝王切開で出産
X_Fort Worth Zoo

アメリカの動物園で、妊娠したゴリラに帝王切開が行われ、未熟児の子供が無事誕生した。

 

動物園の115年の歴史の中で初めて

 

その動物園とは、テキサス州にある「フォートワース動物園」だ。

 

ここでは「セカニ」と呼ばれる、33歳のニシローランドゴリラのメスが妊娠していたのだが、子癇前症(しかんぜんしょう)にかかってしまったという。

 

この病気は、妊娠20週以降に発症し、高血圧の悪化で、過剰な尿タンパク質を伴うとされている。

 

またこれにより胎盤剥離や早産が起こりやすくなり、出生直後の新生児に問題が生じるリスクが高まるという。

 

このため動物園では、115年の歴史の中で初めて、ゴリラに帝王切開を実施。子供は4~6週間早く誕生し、「ジャミーラ(スワヒリ語で「美しい」という意味)」と名付けられた。

 

母親も回復、子供も成長

 

動物園側が「セカニ」を診断した後、獣医師らは地元の産科医と相談し、母子を救うには帝王切開が必要と判断したという。

 

産科医のジェイミー・アーウィン氏は「セカニの解剖学的構造が、人間の患者の解剖学的構造と一致していることに驚きました」と述べている。

 

動物園によると、母親の「セカニ」はその後完全に回復したが、まだ生まれたばかりの赤ちゃんに慣れておらず、赤ちゃんの世話にほとんど興味を示さないという。

 

その理由を正確に知ることはできないが、動物の専門家は、「セカニ」が自然な満期出産に伴う、ホルモンの合図を経験していないためではないか、と推測している。

 

国際自然保護連合によると、「セカニ」のようなニシローランドゴリラは中央アフリカ原産とされ、狩猟や病気が原因で、絶滅危惧種に指定されているという。

 

その数は過去20~25年で60%以上減少しており、ゴリラの出生率も低いため、頭数の減少から回復することが困難となっている。(了)

 

出典元:BBC:Texas zoo delivers baby gorilla via caesarean section(2/17)

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