露の島にシロクマが出没し非常事態宣言、エサに群がる過去の動画も
ロシアの島に多くのシロクマが現れ、非常事態が宣言されたが、過去の状況を示した動画もネット上で公開されている。
昨年末から52頭の目撃情報
その島とは、北西部アルハンゲリスク州に属するノヴァヤゼムリャ群島(列島)。
そのうちユージヌイ島の主要地区Belushya Gubaでは、昨年の12月以来52頭のシロクマの目撃情報が寄せられ、現在も6頭から10頭のシロクマが残っているという。
この島には数千人の住民がいるが、多くのシロクマが押し寄せたことで、人々が襲われたり、ビルや家に侵入されたりするケースもあったそうだ。
このため島の当局は非常事態を宣言。人々に対しシロクマに注意するよう呼びかけた。ネット上には最近ものも含めて、さまざまな動画が投稿されている。
下の動画は2月9日に公開されたもの。アルハンゲリスク州で撮影されたとみられている。
こちらは2月3日に公開された動画。場所は不明。
下は昨年11月に公開されたもの。ただしノヴァヤゼムリャ群島で撮影されたかは不明。
「これまで1度も経験がない」
地元自治体の長であるVigansha Musin氏によれば、5頭以上のシロクマがロシア空軍や防空部隊の駐屯地に侵入しているという。そして記者会見で、次のように語っている。
「私は1983年以来、ノヴァヤゼムリャにいますが、このように大量のシロクマが街に侵入してくるのは、これまで一度もありません」
また副長も、この脅威により人々の通常の生活が乱されているとして、次のように語っている。
「人々は怖がっています。また家から離れるのを恐れています。日常的に行われていたことが、壊され続けています。親たちは、子供たちを学校や幼稚園へ行かせたくないと思っています」
気候変動により内陸で過ごすように
気候変動により北極の氷が減ったため、シロクマは狩りの習慣を変えるのを余儀なくされ、その結果食べ物を求め、内陸で多くの時間を過ごすようになったという。
そして人々と接近し、トラブルも増えていったが、絶滅危惧種のシロクマを狩るのは禁止されており、政府の環境機関もライセンスの発行を拒否しているそうだ。
ただシロクマも警告のためのシグナルや警察のパトロールに対する恐怖心が薄らいでいるため、他に彼らを怖がらせる方法がなければ、駆除も唯一の解決策になりうるとしている。(了)
出典元:BBC:Russia islands emergency over polar bear ‘invasion’(2/9)
出典元:METRO:State of emergency declared as 50 polar bears terrorise town(2/10)