絶滅寸前のクジラにミニ・ベビーブーム到来、米の沖合で複数の母子を確認
絶滅が最も危惧されているクジラの種が、今ちょっとしたベビーブームを迎えているとして、メディアで紹介されている。
昨年は子供を確認できなかった
マサチューセッツ州にある「Center for Coastal Studies」の研究者らは、ケープ・コッド湾において、「タイセイヨウセミクジラ」の母子を3組確認したと、先週発表した。
このクジラは冬の間、ジョージア州やフロリダ州の沖合で出産し、春になると東海岸へと移動してくるという。
そして「タイセイヨウセミクジラ」は現在、約450頭しか残っていないと考えられ、研究者らも2018年には新しく生まれた子供を確認できていなかったそうだ。
しかし科学誌によれば、今年はすでにフロリダ沖で、7頭の子供を確認しているという。
1970年に絶滅危惧種に指定
「タイセイヨウセミクジラ」は1890年の初めには乱獲により、個体数が大幅に激減。1970年には絶滅危惧種として指定されたそうだ。
そのため現在、アメリカでは連邦研究機関の許可なしに、「タイセイヨウセミクジラ」に500ヤード(457m)近づくことは禁じられているとか。
またこのクジラと同種の「ミナミセミクジラ」は南半球で多く目撃されており、数千頭はいると見られている。
しかし北太平洋の「セミクジラ」は「タイセイヨウセミクジラ」よりも非常に稀で、アメリカ海洋気象庁は個体数が200頭に満たないと報告しているという。
このクジラは漁網などに引っかかり、死んでしまうケースも多いらしい。そのため少しずつ個体数を増やし、絶滅しないよう人間が見守っていく必要があるのかもしれない。(了)
出典元:BBC:Baby boom for North Atlantic right whales off US coast(4/14)
出典元:The Guardian:Endangered North Atlantic right whales experience mini baby boom(4/13)