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ベトナムの珍味「イトメ」のオムレツは今が旬

ベトナムの珍味「イトメ」のオムレツは今が旬
Instagram/vietchelsea8

イトメ(糸目)は海の浅瀬に棲むミミズのような生き物。ゴカイの一種で、体長は5cmほど。日本では釣り餌として使われるが、このイトメ、ベトナムではオムレツの具として珍重されているのをご存知だろうか。

 

ちょうど今の季節が食べ頃のイトメのオムレツを、海外のアングラ系メディア「Odditycentral」が紹介している。

 

Wikipedia/Chả rươi

 

街の屋台に登場するスペシャルメニュー

 

首都ハノイを始めとしたベトナム北部の街の屋台では、毎年秋の終わりになると、特別なオムレツがメニューに加わるという。

 

ベトナム語で「Chả rươi」と呼ばれるそのオムレツは、一見すると何の変哲もない。だが、中にはたっぷりのイトメが入っている。ミカンの皮、タマネギ、ディル(セリ科のハーブ)、香辛料と共に焼き上げられたイトメのオムレツは、キャビアのような味がするらしい。

 

Instagram/vietchelsea8

 

秋にしか食べられない珍味

 

このオムレツが、秋の短い期間にしか登場しないのには理由がある。「Odditycentral」によれば、イトメの繁殖期と関係があるそうだ。

 

オムレツに入れるイトメは、じつはイトメそのものではなく、そこから分離した生殖体と呼ばれるもの。浅瀬に暮らすイトメは、秋の繁殖期になると、体の半分に卵と精液を詰め込んで切り離す。これが生殖体だ。つまり、人が食べるのは卵と精液で一杯になったイトメの半身、ということになる。

 

切り離された生殖体は海上に浮かび、他の生殖体と出会い、自力でもぞもぞと動いて生殖するらしい。海底にイトメが多くいる場所では、海上に無数のオムレツの具が浮かぶ。それを見つけた漁師は、大喜びで「海に飛び込み、網でも素手でも、とにかく獲れるだけ獲る」と、昔は言われていたそうだ。今では池や田で養殖も行われている。

 

Instagram/vietchelsea8

 

晩秋の今、ハノイ市内のどの通りもイトメのオムレツ「Chả rươi」を焼く匂いで一杯だそう。食べるのに抵抗がある人のために、イトメの量を少なくし、ポークをメインにしたバージョンもあるという。(了)

 

出典元:Odditycentral:Chả rươi – Vietnam’s Popular Worm Omelet(11/23)

出典元:Wikipedia:Chả rươi

出典元:Wikipedia:イトメ

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