病気のペンギンにカスタムシューズをプレゼント、見事歩けるように【米動物園】
アメリカの動物園で、先天的な病気のために足が不自由だったペンギンに、専用のフットウェアが贈られた。
「バンブルフット」と呼ばれる慢性疾患
その動物園とは、カリフォリニア州にある「サンディエゴ動物園」だ。
ここにはアフリカン・ペンギンが飼育されており、そのうちの1羽、「ルーカス」という名の4歳のペンギンは、「バンブルフット(bumblefoot)」と呼ばれる足の慢性疾患を抱えていたという。
「バンブルフット」とは、足の裏に起こる皮膚および皮下の組織の炎症や感染のことで、病院のスタッフは、「ルーカス」が日常生活でできるだけ快適に過ごせるように、整形外科用のフットウェアを履かせることを決断したそうだ。
A penguin at the San Diego Zoo who was diagnosed with a degenerative foot condition is once again enjoying life after being fit with special orthopedic shoes. Caretakers say, while the bird is adjusting well, they’re now concerned because he suddenly started watching Fox News. pic.twitter.com/wwXAUXJnv3
— Jarrett Bellini (@JarrettBellini) August 29, 2022
放置すると死亡する可能性
「ルーカス」の問題は3年以上前に始まったという。脊椎の感染症で筋肉が弱くなり、直立できなくなったそうだ。動物園のチームは「ルーカス」に鎮痛剤を与え、肉体的な治療を施したが、それらがうまくいかなかった。
「ルーカス」のバンブルフットは永久的な症状だと考えられ、治療せずに放置すると、敗血症や感染症による死亡につながる可能性があるという。
このため動物園の専門家は、動物のためのリハビリテーションや補助用品を制作している「セラポー」という団体に、整形外科用のフットウェアを依頼。
「セラポー」は、「ルーカス」が立ったり歩いたりする時に圧迫による傷ができないように、ネオプレン(合成ゴム)とゴムでできたカスタムシューズを作り上げた。
WATCH: 🐧 This little guy’s got some happy feet. Lucas, a 4-year-old African penguin at the San Diego Zoo, has lesions on his feet due to a chronic condition that could be deadly. So, veterinarians ordered him a special pair of shoes to help. https://t.co/ICo6DGX4Xx pic.twitter.com/VhdumlmSSp
— NBC 7 San Diego (@nbcsandiego) August 31, 2022
岩に登り、泳ぎ、仲間を作ることも可能に
このフットウェアはクッション性があり、マジックテープでも固定できるため、「ルーカス」は他のコロニーのペンギンと同じように岩を登り、泳ぎ、巣を作り、さらには仲間を見つけることができるそうだ。
サンディエゴ野生生物保護連合(San Diego Wildlife Alliance)はプレスリリースで「ブーツは、彼の足にすでにある病変を保護すると同時に、新たな痛みが生じるリスクを最小限に抑えるはずです」と述べている。
そして実際に「ルーカス」の歩行とバランスは、この新しいフットウェアのおかげで改善されたという。(了)
出典元:NBC Sandiego:Happy Feet: San Diego Zoo Penguin Fitted With Orthopedic Shoes For Chronic Condition(8/30)