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スペインで性産業に従事する労働者のための初の労働組合が誕生

スペインで性産業に従事する労働者のための初の労働組合が誕生
Pexels

スペインで性産業に従事する労働者のための初の労働組合が誕生するも、波紋を広げている。

 

労働者としての権利を主張する

 

スペインにおける初の性産業に従事する労働者のための労働組合は、その名も「OTRAS」。

 

同組合は労働組合としての基準を満たしているとして、先月正式に労働組合として認可されたという。

 

OTRASには性産業に従事する女性のみならず、男性もが所属しているとのことだ。

 

これについて同組合の代表を務めるConxa Borrell氏は、「我々性産業従事者は、その他スペイン社会の労働者と同様に、労働者としての権利を享受するに値する」とコメントしている。

 

Facebook / Conxa Borrell

スペイン国内に広がる波紋

 

一方、性産業に従事する労働者のための労働組合の誕生は、スペイン国内に大きな波紋を広げている。

 

OTRASの誕生について先月30日、スペインの労働・移民・社会保障相を務めるマグダレナ・バレリオ(Magdalena Valerio)氏は、同組合の登録にかかる手続きには何の問題もなかったことを認めつつも、“騙された”との言葉を用い、同組合の認可に対する強い憤りを表現。

 

現政権が“貧困やその他の環境要因により、自らの身体を他者の虐待のために差し出すという、男女の基本的人権を侵害する違法な活動を行う労働組合を支援することはない”と訴えている。

 

それだけではない。

 

スペインの現首相ペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)氏も先月30日、この件についてツイート。

 

同国において性産業が違法であることを前置きしつつ、“フェミニスト政権”は“違法な活動を行う団体”を支援するつもりではなかったとし、性産業そのものを廃止とすることを支持する、としている。

 

 

しかしOTRASは既に労働組合としての認可を取得しており、また8月4日付けの官報への掲載も行われてしまっている。そのため政権は同組合の認可取り消しのため、訴訟を起こす手続きを既に開始しているという。

 

今年6月に政権に就いたサンチェス首相は、男性閣僚を上回る17人中11人の女性閣僚を登用。さらに今回の出来事は、フェミニズム色の強い政策を掲げ、新内閣が“フェミニスト内閣”とみなされていた中で起きただけに、衝撃が広がることとなってしまったようだ。

 

他の労働者と同等の権利は“ユートピア”

 

スペインにおいては性産業自体に対する規制が行われておらず、許容されてしまっている状態だ。

 

そのため公共の場において行われない限り、金銭との引き換えによる性行為の提供に対しては何らの処罰も存在しておらず、スペインの法律自体も性産業よりも人身売買に焦点を定めたものとなっている。

 

Pixabay

 

またいずれの国においても性産業で働くということは過酷であるに相違ないが、スペインにおいてもそれは同じこと。

 

Borrell氏は性産業に従事する労働者にとって、契約や固定給、病気や妊娠による休職、休暇、さらには定年といった通常の労働者と同等の権利を有することは、“ユートピア”であると表現している。

 

ちなみに性産業は、欧州においてはオランダ、スイス、オーストリア、ドイツの4カ国では合法だ。

 

性産業に従事する労働者のための労働組合成立により、スペイン国内に広がる波紋。過酷な環境に耐え忍んで働く彼らがより良い暮らしを送ることができるよう、この騒動が決着することを願うばかりだ。(了)

 

 

出典:USA TODAY:Sex workers’ union ignites debate over prostitution in Spain (8/31)

出典:The Local Spain:‘Let us keep our union’: Spanish sex workers demand equal labour rights(9/1)

出典:Deutsche Welle:Spain to overturn registration of OTRAS sex workers’ union(8/31)

出典:BBC:スペイン新内閣、女性閣僚が男性上回る 17人中11人(6/7)

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