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デモや支持、懸念も…米英仏によるシリアへの軍事攻撃に対する各国の反応

デモや支持、懸念も…米英仏によるシリアへの軍事攻撃に対する各国の反応
Facebook/U.S. Air Forces Central Command

13日の夜(日本時間午前)、アメリカ軍とイギリス軍、そしてフランス軍が、シリアにある化学兵器関連施設に対して空爆やミサイル攻撃を行った。

 

ホワイトハウス前で抗議デモ

 

この攻撃についてはアメリカのトランプ大統領が演説で、13日の夜に初めて明らかにしたが、その後ホワイトハウスの前ではデモが行われ、集まった数十人がこの決定に対し抗議の声を上げたという。

 

彼らは「シリアから手を引け」と唱え、「戦争ではなく平和を」と呼びかけたとされている。

 

NHKによれば参加者の男性は「今回の攻撃はシリアの後ろ盾となっているロシアが有する施設への攻撃だ。アメリカとロシアとの緊張がより一層高まるのではないか」と懸念を示していたという。

 

別の男性も「シリア難民が増えることを懸念している。トランプ大統領は難民に責任を負うべきだ」と話していたそうだ。

 

またギリシャでも首都アテネの中心部に約6000人が集結。今回のミサイル攻撃に反対し、「反アメリカ」をスローガンとしてデモ行進を行ったとされている。

 

さらに英紙Guardianも、今回のシリアへの攻撃について支持する国がある一方、懸念を表明する国もあるとして、各国の反応を伝えている。

 

ただしこの記事では、関係国のアメリカやイギリス、フランス、ロシアの反応については割愛する。

Facebook/U.S. Air Forces Central Command

イラン

 

イランの最高指導者であるAyatollah Ali Khamenei氏は、複数のイスラム諸国の大使などとの会合において、今回の攻撃を「戦争犯罪」として糾弾。

 

さらにその後「今朝のシリアへの攻撃は犯罪だ。アメリカの大統領やフランスの大統領、イギリスの首相は犯罪者だ。彼らには何も得るものはないだろう」と述べたという。

 

ドイツ

 

ドイツのメルケル首相は、シリアへの共同作戦は必要であり、適切な対応だったと発言。

 

アメリカとイギリス、フランスは国連安全保障理事会の常任理事国として、化学兵器使用を国際社会が容認しないという効果を維持するため、またシリア政権がさらなる違反を犯さないよう警告するためにも、このような方法で責任を果たした、とみなしているという。

 

中国

 

中国外務省のスポークスマンは今回の攻撃について問われ「国連の安全保障理事会を迂回させた(通さない)、どんな軍事行動も国際法違反とみなしている」と非難。

 

また「私たちは一貫して、国際関係における軍事力の行使には反対している。また全ての国の主権と独立、領土保全に敬意を払うよう唱えている」と述べたそうだ。

 

さらに「中国はシリアの問題については、政治的な解決が唯一の現実的な方法だと信じている。中国は全ての関係当事者に国際的な枠組みへ戻るよう求め、この問題を対話と協議を通して解決するよう促していく」としている。

 

ヨーロッパ連合(EU)

 

ヨーロッパ委員会のJean-Claude Juncker委員長は「化学兵器に頼った者たちは、世界から責任を問われなければならない」と語ったという。

 

またJuncker委員長は先週、シリアのドゥーマで使用された毒ガスと疑われる攻撃は、シリア政府によって行われた「残虐非道な化学兵器による攻撃だ」とし、「世界はそのような攻撃を行った人間を特定し、彼らに責任を課す義務がある」とも述べている。

FacebookÉlysée – Présidence de la République française

カナダ

 

カナダのジャスティン・トルドー首相は、先週シリアに対する軍事行動への参加を表明していたが、今回の攻撃に対してもターゲットを絞った空爆への無条件の支持を表明。

 

さらに自国民に対して化学兵器による攻撃を行ったアサド政権の能力を低下させるため、行動を起こしたアメリカやイギリス、フランスの決断を支援すると同時に、今後もシリアでの化学兵器使用の調査を継続していくと語っている。

 

イスラエル

 

実はイスラエルは今回の米軍らの攻撃に先立ち、シリアで化学兵器が使用されたとの疑いが出てから、シリア軍基地に空爆を実施していた。

 

その上で今回のシリアへの攻撃について「昨年、トランプ大統領は化学兵器を使用すれば、レッドラインを越えることになると明らかにした。今夜、アメリカのリーダーシップのもと、米軍とイギリス、フランスはそのラインを強化した」とコメントしている。

 

トルコ

 

トルコの外務大臣も今回の攻撃について、「適切な対応」として評価。

 

市民を標的にした無差別な化学兵器による攻撃は、「人道に対する犯罪」を構成するとし、罪は免れないと発言したという。

 

国連

 

国連のAntónio Guterres事務総長は化学兵器の使用は「忌まわしく」「身の毛もよだつ」ものだとしつつも、今回の米軍などの攻撃への報復に注意を呼びかけている。

 

また暴力のエスカレートはシリアに住む人々の苦しみを増やすだけだと、懸念も表明した。

 

イラク

 

イラクは今回のシリアへの攻撃は、この地域で拡大しつつあるテロリズムに絶好の機会を与える可能性があると主張。

 

イラクの外務大臣は「(米軍などの)このような行動は、この地域における安全と安定に脅威を与え、危険な結果をもたらす可能性がある。テロリストらがイラクから追い出され、広い範囲にわたってシリアへ後退させられた後、(勢力を)拡大するためのもう1つの機会を与えることになる」と懸念を示している。(了)

 

出典元:euro news:Watch: Protests against Syria air strikes take place outside White House(4/14)

出典元:NHK:シリア攻撃 米国市民に賛否両論 抗議デモも(4/14)

出典元:The guardian:World reacts to overnight strikes on Syria by US, UK and French forces(4/14)

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